日本ライフラインはもみ合いも純益黒字転換を見直し売られ過ぎ訂正期待が底流

  日本ライフライン <7575> (JQS)は、1円高の677円と小反発して始まったあと、6円安と下ぶれるなど前週末6日終値を挟んでもみ合っている。5月13日につけた年初来安値615円から80円幅の底上げをしただけに、目先きの利益を確定する売り物が交錯している。ただ、5月2日に発表した今2015年3月期業績は、営業利益、純利益は減益転換と慎重に予想したが、株価は、純利益は黒字転換を見込んだことを見直し下値には売られ過ぎ訂正期待の買い物は継続している。人工血管関連のオープンステントグラフトの薬事承認を今年1月に取得、この夏の上市に向け準備を進めていることも、支援材料視されている。 ■前期計上の投資有価証券評価損が一巡し今期純利益は黒字転換   同社の前2014年3月期業績は、昨年10月、今年4月と2回も上方修正されたが、純利益だけは、10月の上方修正値が今年4月に下方修正された。2回の業績上方修正は、心腔内除細動システムや外科関連の新製品の販売が好調に推移し、ガイドワイヤーなどの製造子会社の香港のSynexmed社やAED(自動体外式除細動器を販売するハートブレーン社を新たに連結対象としたことが要因となったが、純利益については、保有している海外医療機器メーカーの株式に関して投資有価証券評価損、貸倒引当金繰入額を計上したことから下方修正した。ただ純利益は、投資有価証券評価損の計上額が、4月の下方修正値より9200万円減少し2億200万円の赤字(前々期は5億1900万円の黒字)と赤字転落幅を縮めて着地した。   これに対して今2015年3月期業績は、売り上げ255億3900万円(前期比4.8%増)、営業利益10億7600万円(同11.7%減)、経常利益10億8100万円(同19.1%減)、純利益4億9100万円(前期は2億200万円の赤字)と見込み、営業利益、経常利益は減益転換、純利益は黒字転換する。   売り上げは、同社のオンリーワン製品の心腔内除細動システムのいっそうの普及を進めるほか、新治療法として症例数が急増しているステングラフトなどの普及を促進して続伸するが、利益は、今年4月から実施の保険償還価格の改定で心臓ペースメーカーの主要モデルの引き下げ幅が17.3%となったことで減益転換と見込んでいる。純利益は、前期計上の特別損失一巡で黒字転換する。 ■PER14台、PBR0.4倍、配当利回り3.7%と売られ過ぎ歴然   株価は、今年4月の2回目の上方修正と純利益の一転した下方修正では、純利益の赤字転落を嫌って100円安し、今期業績の減益転換予想では年初来安値までダメ押しをしリバウンド途上にある。なおPERは14倍台、PBRは0.4倍、配当利回りは25円の安定継続配当に対して3.7%と売られ過ぎを示唆しており、一段の底上げが続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
日本ライフライン<7575>(JQS)は、1円高の677円と小反発して始まったあと、6円安と下ぶれるなど前週末6日終値を挟んでもみ合っている。
economic
2014-06-09 10:15