クレスコは3月高値突破して上伸、今期増収増益見通しを評価
受託ソフトウェア開発のクレスコ <4674> の株価は、5月下旬に3月高値1170円を突破し、その後も1200円台に上値を伸ばして堅調に推移している。13年秋を起点とする上昇トレンドであり、今期(15年3月期)増収増益見通しを評価して上値追いの展開だろう。
ビジネス系のソフトウェア開発事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売など)も展開している。収益力向上に向けた重点施策として、クラウド関連ソリューションを強化し、グループ連携の強化、組込関連事業の再構築、新ビジネスモデルの創出、ニアショア開発とオフショア開発(地方分散開発体制強化と中国・ベトナムでの開発体制整備)などを推進している。得意分野を持つビジネスパートナーとのアライアンス戦略やM&A戦略も積極活用する方針だ。
13年4月にはソリューション事業のクリエイティブジャパンを完全子会社化し、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化した。13年9月には三谷産業 <8285> とクラウドサービス事業で協業体制を構築した。また14年3月には、法人向け電子マニュアル/電子カタログサービス分野でゴマブックスと戦略的提携し、企業内文書デジタルサービス「Creage for Digital Publishing」の提供を開始した。
今期(15年3月期)連結業績見通し(5月7日公表)は、売上高が前期比8.5%増の239億円、営業利益が同15.4%増の16億50百万円、経常利益が同7.3%増の18億円、純利益が同14.7%増の10億80百万円としている。主力のソフトウェア開発事業の好調が牽引して増収増益見込みだ。配当予想については前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。
国内のIT投資需要は、クラウドやモバイル端末を活用したシステムへの移行、ITシステム基盤の統合・再構築、ビジネスプロセスの可視化・最適化、ビッグデータの分析と活用、仮想化技術の導入、ソーシャル・テクノロジーのビジネス活用などで、高水準に推移することが予想される。今期は特に、基幹系システムや情報系システムの需要が増加する見込みであり、日立グループ関連が主力のクリエイティブジャパンも寄与して好業績が期待されるだろう。
なお13年11月25日に発表した自己株式取得は14年5月30日に終了した。取得株式総数の上限40万株、取得価額総額の上限3億40百万円(取得期間13年11月26日~14年5月30日)に対して、取得株式総数30万1500株、取得価額総額3億2828万1900円だった。
株価の動きを見ると、950円~1000円近辺での短期モミ合いから上放れ、5月23日に1175円を付けて3月高値1170円を突破した。その後も1200円台に乗せて高値圏で堅調に推移し、5月29日に1271円まで上値を伸ばす場面があった。今期増収増益見通しを評価する動きだろう。
6月9日の終値1228円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS101円46銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS849円71銭で算出)は1.4倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって13年秋を起点とする上昇トレンドの形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。再動意のタイミングであり、好業績を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
受託ソフトウェア開発のクレスコ<4674>(東1)の株価は、5月下旬に3月高値1170円を突破し、その後も1200円台に上値を伸ばして堅調に推移している。
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2014-06-10 09:00