山下医科器械は嫌気売りで下げるも従業員の不正行為影響は一時的

  医療機器商社の山下医科器械 <3022> は、12月25日に従業員の不正行為判明を発表した。12月26日の株価は嫌気売りが優勢になったが、終値では下落幅を縮小している。影響は一時的だろう。   九州を地盤とする医療機器商社である。医療機器の販売・メンテナンス、医療材料・消耗品などの販売を主力として、子会社イーピーメディックは整形インプラントの製造販売を展開している。九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大を最重点戦略として推進するとともに、医療機関向けSPD(病院医療材料管理業務)の契約施設数増加に対応するため13年7月に福岡SPDセンターを新設し、鳥栖SPDセンターとの2拠点体制とした。   なお12月25日に、従業員による不正行為が判明したと発表した。社内調査チームを設置して調査した結果、従業員による報告書の偽造および過大な売上計上の事実を確認し、現時点では過大な売上計上額は約1億60百万円と推定している。調査結果および有価証券報告書訂正など、詳細については確定次第速やかに報告するとしている。   今期(14年5月期)連結業績見通しについては売上高が前期比0.3%増の473億29百万円、営業利益が同25.3%減の4億22百万円、経常利益が同23.9%減の4億97百万円、純利益が同30.5%減の2億79百万円としている。福岡SPDセンターの新設費用に加えて、設備工事・機器関連の入札案件の見通しが難しいため保守的な見通しとしているが、大幅増益だった第1四半期(6月~8月)の通期見通しに対する進捗率は高水準である。   病院設備更新に伴う超音波画像診断装置、SPD契約施設数増加に伴う医療機器消耗品、低侵襲治療機器分野での内視鏡備品、メディカルサービス分野での放射線機器などの販売が好調である。従業員の不正行為に伴う影響額は現時点で不明だが、今期業績への影響額が小さければ通期増額の可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、10月下旬の1800円~1900円近辺から水準を切り下げて戻り一服の展開だ。12月26日は従業員の不正行為を嫌気した売りが優勢になった。ただし寄り付きの1666円(前日比80円安)を安値として、一時は1715円(前日比31円安)まで戻す場面があった。また終値でも1695円(前日比51円安)まで戻している。影響は一時的だろう。   12月26日の終値1695円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS109円61銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間33円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2157円57銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると三角保ち合いの煮詰まり感を強めている。不正行為を嫌気した売りが一巡すれば上放れの可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器商社の山下医科器械<3022>(東1)は、12月25日に従業員の不正行為判明を発表した。12月26日の株価は嫌気売りが優勢になったが、終値では下落幅を縮小している。影響は一時的だろう。
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2013-12-27 09:15