白鳩は調整の最終局面、底値買い好機の可能性

  インナーウェアのネット通販事業を展開する白鳩 <3192> (JQS)は4月23日に新規上場した。株価はIPO人気が一巡して低迷しているが、足元では下げ止まり感を強めている。公開価格割れ水準に到達して調整のほぼ最終局面だろう。今期(14年8月期)は上場関連費用を吸収して増収増益見込みであり、業績面の不安は小さい。四半期ごとに業績好調を確認しながら水準を切り上げる展開だろう。底値買いの好機とも言えそうだ。   14年4月東証JASDAQ市場に新規上場した。女性用を中心としたインナーウェアのオンラインショッピングサイト「京都発インナーショップ白鳩」の運営を主力事業としている。またアンテナショップとして、実店舗のJR京都駅南口アバンティB1インナーショップ「Shirohato」も運営している。   1965年創業、1974年会社設立で靴下の職域販売からスタートした。そして靴下のカタログ通販やインナーウェアの実店舗販売を経て、95年に自社本店サイトをオープンしてインナーウェアのネット通販にシフトした。   現在はパソコンやスマートフォンに対応して、国内は下着・ランジェリー総合情報サイト「ランジェ」およびオンラインショップ白鳩本店のほか、楽天市場レディース、楽天市場メンズ「ADIEU」、Yahoo!ショッピング、Amazon、DeNAショッピング、Qoo10、NTTドコモ携帯公式サイトなどのショッピングモールに出店し、海外は白鳩本店(グローバル店)に加えて、中国・天猫国際(Tモールグローバル)、楽天インドネシア、楽天シンガポールにオンライン出店している。   インナーウェア専門店としての品揃えが強みである。14年2月現在の取扱アイテム数は、国内の「ワコール」「トリンプ」など、海外の「エンポリオアルマーニ」「モードマリー」など、自社オリジナルブランドの「COMUSE」「ContRante」など合計80ブランド、約1万1000品番である。さらなる品揃え充実に向けて、国内外の高級ブランドや注目ブランドとの新規取引を開拓するとともに、自社オリジナルブランドやメーカーとのOEM(コラボレーション)ブランドの開発も強化している。   また自社開発の基幹システム「楽らく通販システム」や、本社に併設した配送センターで、商品登録・撮影・画像制作、商品発注・仕入・在庫管理、サイト在庫連携、受注・出荷・売上、顧客管理・顧客対応・売掛管理などの業務を自社ワンストップ体制で運営していることも特徴である。さらなる業務の正確性の確保、効率化・迅速性の向上を推進している。   顧客会員の獲得についてはリピート率の向上に注力している。前期(13年8月期)の会員数は前々期比7.6%増の50万9600人、リピート顧客数(1年間に2回以上購入)は同29.5%増の8万5354人、1度購入顧客数は同23.5%増の32万1265人で、リピート率は同0.8ポイント上昇して21.0%となった。   今期(14年8月期)の業績(非連結)見通し(4月23日公表)は売上高が前期比19.7%増の35億35百万円、営業利益が同31.2%増の1億63百万円、経常利益が同27.6%増の1億50百万円、そして純利益が同35.3%増の92百万円としている。会員数の増加やリピート率の向上、品揃えの拡充や自社ロジスティックの精緻化などの効果で、上場関連費用などを吸収して増収増益見込みだ。なお配当予想については未定としている。   4月23日に発表した第2四半期累計(13年9月~14年2月)は、売上高が17億06百万円、営業利益が80百万円、経常利益が70百万円、純利益が39百万円だった。通期見通しに対する進捗率は売上高が48.3%、営業利益が49.1%、経常利益が46.7%、純利益が42.4%であり、概ね順調な水準だろう。   インナーウェア関連市場は、シーズンごとの流行変化の影響が比較的小さいうえに、天候不順などの影響も受けにくい。定番商品がロングセラー化しやすいことも特徴だ。ネット通販市場の拡大も背景として、中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動き(14年4月23日公開価格520円に対して初値760円、高値4月23日770円)を見ると、IPO初日に高値770円を付けたが、その後はIPO人気が一巡し、新興市場の地合い悪化も影響して軟調展開となった。4月30日には公開価格を割り込み、5月16日には478円まで下押す場面があった。ただしその後は概ね500円近辺で推移して下げ止まり感を強めている。6月3日には527円まで戻す場面があった。   6月10日の終値496円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS27円12銭で算出)は18~19倍近辺である。指標面に割高感はなく、公開価格割れ水準に到達して調整のほぼ最終局面だろう。業績面の不安が小さいだけに、四半期ごとに業績好調を確認しながら水準を切り上げる展開だろう。底値買いの好機とも言えそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
インナーウェアのネット通販事業を展開する白鳩<3192>(JQS)は4月23日に新規上場した。株価はIPO人気が一巡して低迷しているが、足元では下げ止まり感を強めている。
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2014-06-11 09:00