【為替本日の注目点】世界的株高ユーロ売りが加速、閑散に売りなし値動きは小幅に
NY市場
ドル円は102円台半ばを上値に徐々に下落。日経平均株価が1万5000円を割り込んだこともあり102円30銭辺りまでドル安が進む。海外市場でも102円20銭近辺まで下げたがそこから反転し、102円35銭近辺で引ける。
ユーロは一段と下落。東京時間では1.3590近辺で小動きだったが、欧州からNY時間では1.35台前半まで売られる。ユーロ円も約2週間振りに138円台半ばまでユーロ安が進む。
株式市場はまちまち。連日の上昇で高値警戒感も出るなか、ダウは小幅ながら5日続伸で最高値を更新。S&P500は0.4ポイント下落。
債券相場は3日続落。3年債入札での落札利回りが高水準だったことが嫌気され、長期債も下落。長期金利は5月12日以来となる2.64%台まで上昇。
金は続伸し、原油は反落。
ドル/円 102.22 ~ 102.43
ユーロ/ドル 1.3536 ~ 1.3558
ユーロ/円 138.45 ~ 138.74
NYダウ +2.92 → 16,945.92ドル
GOLD +6.20 → 1,260.10ドル
WTI -0.06 → 104.35ドル
米10年国債 +0.032 → 2.640%
本日の注目イベント
英 5月失業率
米 5月財政収支
世界的に株高が進行するなか、欧州の株式市場でも上昇が続いています。昨日の欧州株式市場では、指標のストックス欧州600指数が約6年ぶりの高値を更新しています。ECBが先週決定した追加緩和が一段と株高につながるとの見方が支配的になっていることが背景です。
ECBの政策が実施されるに伴って、今後徐々に資金がだぶつくとの観測から、先回りをした資金が株式市場などに流れていると見られ、同時にユーロ売りも加速しています。ユードルは先週のECBの政策決定直後にユーロ売りが加速し、一時1.3503まで売られましたが、その後急速に値を戻し、1.36台後半まで反発するなど荒っぽい展開になりましたが、ようやく落ち着きを取り戻し、政策を反映し徐々にユーロが売られる展開になって来ました。
昨日の海外市場ではユーロドルが1.3535近辺まで売られ、先週の安値には届いていませんが、2月の安値に並んだ形です。既に「日足」では重要な「200日線」を割り込んでおり、次の下値のメドは先週の安値である1.35近辺とさらに下値では「週足」の「雲」と「200日線」が位置する1.34前後ということになります。ユーロはそれでもイタリアやスペインなどの国債に資金が流入しており、さらに中国が外貨準備の一部をドルからユーロにシフトしているのではといった観測もあります。市場の流れが米長期金利の反発を背景に「ドル高」に進んでいることで、「ユーロ売りドル買い」が居心地がいいといった側面もあります。
ドル円は102円台半ばから上値が徐々に重くなって来ており、このままでは再び「元のレンジ相場」に戻りそうな気配もあります。ただそれでも昨日の下落では102円20銭前後がサポートされており、何よりも米長期金利が2.64%台まで上昇するという「援軍」がドル円の下落を抑えている状況です。また、上述のように「ドル買いユーロ売り」が活発になっていることもドル円をサポートしています。
「日足」を見ると、やや小さな「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成しております。上値は4月4日に記録した104円13銭を頂点に右下方向に抵抗線を引くことができます。一方下値では、5月21日の100円82銭を底値に右上方向に支持線を引くことができます。現在、その頂点は102円52銭辺りで、足許の値動きはこの頂点に向かって推移しており、「雲」の中で今後の方向を模索している状況と見ることができそうです。
今月下旬に発表される予定の「成長戦略」の骨子も徐々に明らかになってきました。法人税減税やGPIFの運用見直しに加え、働き手の確保や労働時間規制の適用除外などが具体化し始めましたが、ややサプライズに欠ける印象を拭い切れません。このままでは昨年6月のように「失望」につながりはしないかと危惧しております。本日も特段これといった材料がありません。「閑散に売りなし」という格言もありますが、値動きは小幅にならざるをえない状況です。レンジは102円~102円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は102円台半ばを上値に徐々に下落。日経平均株価が1万5000円を割り込んだこともあり102円30銭辺りまでドル安が進む。海外市場でも102円20銭近辺まで下げたがそこから反転し、102円35銭近辺で引ける。
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2014-06-11 09:15