医療機関の休廃業・解散動向調査=帝国データバンク

 医療機関の休廃業・解散、過去最多を更新  ~都市部の競合激化や後継者不足で増加~  はじめに  今年4月に行われた診療報酬改定で、重症患者向けの「7対1病床」(患者7人に対し看護師1人が置かれる病床)を2年間で9万床分を減らす目標が打ち出された。病院にとって最も高い診療報酬を得られていた重症患者向け「7対1病床」を削減するとともに資格条件を厳格化し、「地域包括ケア病棟」の新設や在宅医療への体制を強化する方針を推し進める狙いがある。  こうした業界環境のなか、近年は、都市部の「診療所」「歯科医院」は競争が激化しており、医療機関の休廃業・解散件数が増加傾向にある。これに加え、開業医の後継者難や代表の高齢によって廃業や撤退を余儀なくされる病院が少なくない。  帝国データバンクは、2006年度から2013年度の間で休廃業・解散した医療機関について集計・分析した。なお、医療機関の休廃業・解散動向に関する調査は今回が初めてとなる。  ・病院、診療所、歯科医院が対象。「病院」=病床数20以上、「診療所」=病床数20未満で区別した  ・「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)。調査時点では当該企業の企業活動が停止していることを確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない  ・「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記等で解散を確認  ・「休廃業・解散」は、企業活動停止が確認できた企業のなかで、倒産(任意整理、法的整理)に分類されないケース  調査結果  1.2013年度に休廃業・解散した医療機関は303件。集計を開始した2006年度以降で最多となった  2.代表年代別では「70代」が最多。「80代以上」と合わせると約半数を占めており、代表の高齢化・事業承継問題が深刻化している  3.地域別では、9地域中6地域で増加  4.「診療所」「歯科医院」は都市部での競争や代表の高齢化が深刻化(情報提供:帝国データバンク)
今年4月に行われた診療報酬改定で、重症患者向けの「7対1病床」(患者7人に対し看護師1人が置かれる病床)を2年間で9万床分を減らす目標が打ち出された。病院にとって最も高い診療報酬を得られていた重症患者向け「7対1病床」を削減するとともに資格条件を厳格化し、「地域包括ケア病棟」の新設や在宅医療への体制を強化する方針を推し進める狙いがある。
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2014-06-11 10:15