売れ行き好調な「違法」不動産・・・価格安く、中国の出稼ぎ労働者に人気=中国メディア

中国貴州省遵義市には違法な建築物「黒楼房」が数多く存在するという。都市部と農村部の境界線にあたる地域では、一部の農民が自身の居住地に違法に建築物を建て、販売を行っているという。中国経済周刊によれば、こうした違法建築物は正規の不動産よりも大幅に安いとあって売れ行きは好調だ。
中国経済周刊の記者が訪れた遵義市内の人口800人ほどの一部地域では、出稼ぎなどで遵義市に居住している労働者が約1万5000人もいるとされ、こうした労働者たちが「黒楼房」の買い手となっているという。
2013年に遵義市の不動産管理部門が公表した数字によれば、遵義市の13年の不動産成約面積は358万平方メートルだったが、12年に行われた調査の結果、遵義市内には3つの地域だけで「黒楼房」が230万平方メートル以上も存在することが分かっており、記事は「数字を比較するだけでその深刻さが見て取れる」と論じた。
記事は「黒楼房」の特徴として、「外壁はコンクリートがむき出しになっている」、「電線や水道管が蜘蛛の巣のように張り巡らされている」、「建物と建物の間の隙間にはゴミが散乱し、汚水が流れている」と紹介、近隣にある合法な不動産に比べて「その汚さは目を引く」と伝えた。
さらに、「黒楼房」が林立している場所においては、建物と建物の間は1メートルもないため自動車はおろか人間がすれ違うのも難しかったと紹介。また、正規の道路も存在せず、記者が実際に取材した結果として、「とても迷いやすく、何度も行き止まりの道に入り込んでしまった」と伝えた。
また、「黒楼房」を購入するにあたっては、法で定められた手続きはなく、また証明書なども存在せず、契約書にサインするだけで良いと伝え、「黒楼房」の販売員が「政府が黒楼房を取り壊す場合は補償が出る」、「仮に政府の補償がない場合は、購入金額を全額返金する」と語ったことを紹介した。
記事は、多くの出稼ぎ労働者が「黒楼房」を購入する理由として、「価格的な魅力」のほかに「取り壊された場合は政府が補償すると謳われていること」を紹介。違法建築物でありながらも正規の額の7割が補償されたケースがあったことを伝える一方で、「厳密に言えば補償すべき対象ではない」との意見も紹介した。(編集担当:村山健二)(写真は中国経済周刊の9日付報道の画面キャプチャ)
中国貴州省遵義市には違法な建築物「黒楼房」が数多く存在するという。都市部と農村部の境界線にあたる地域では、一部の農民が自身の居住地に違法に建築物を建て、販売を行っているという。中国経済周刊によれば、こうした違法建築物は正規の不動産よりも大幅に安いとあって売れ行きは好調だ。(写真は中国経済周刊の9日付報道の画面キャプチャ)
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2014-06-11 15:00