アルコニックスは今期営業増益・増配見通しを評価して上値追い
非鉄金属専門商社のアルコニックス <3036> の株価は1月高値2424円を突破して年初来高値を更新し、08年高値2675円に接近している。今期(15年3月期)営業増益・増配見通しで、指標面には依然として割安感があり、過熱感を冷ますための自律調整を挟みながら上値を追う展開だろう。
軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。
積極的なM&A戦略で、13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月アルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化した。さらに14年4月には、住宅建設関連資材の設計・製造・販売を手掛けるケイ・マックに追加出資して持分法適用関連会社とした。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月16日公表)は売上高が前期比12.1%増の2060億円、営業利益が同3.3%増の36億円、経常利益が同16.7%増の42億円、純利益が同7.8%減の29億円、配当予想が同5円増配の年間70円(第2四半期末35円、期末35円)としている。純利益は負ののれん発生益一巡で減益見込みだが、自動車関連やスマートフォン・タブレット端末関連の好調が牽引して増収、営業増益、経常増益見込みとしている。営業外収益ではケイ・マックの持分利益も寄与する。
セグメント別売上高の計画は、軽金属・銅製品が輸出取引の好調に連結子会社群も寄与して同4.6%増の790億円、電子・機能材がレアメタル・レアアースの底打ちや米ユニバーティカル社の寄与などで同32.3%増の870億円、非鉄原料は輸入アルミ原料の低迷で同5.5%減の310億円、建設・産業資材は同6.8%減の90億円としている。
円安やM&A効果も寄与して、自動車関連を中心に輸出取引や海外取引が増加基調である。レアメタル・レアアースは、軽希土類の需要が回復に転じており、重希土類も来期(16年3月期)には在庫調整が終息して回復に向かう見込みとしている。会社見通しはやや保守的で上振れ余地があり、好業績が期待されるだろう。
14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では経営目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13~15%程度、NETDER1.0~1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。
重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで幅広く国内外での積極展開、海外では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、さらに新規投融資の積極推進に取り組む方針としている。
株価の動きを見ると、5月9日の直近安値1960円から切り返して水準切り上げの展開となった。5月30日には2479円を付け、1月高値2424円を突破して年初来高値を更新した。5月16日発表の今期営業増益見通しと増配見通しも好感したようだ。さらに6月9日には2589円まで上値を伸ばす場面があり、08年高値2675円に接近している。
6月11日の終値2545円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS456円07銭で算出)は5~6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間70円で算出)は2.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS3276円42銭で算出)は0.8倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が10%を超えて目先的には過熱感もあるが、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、さらに2400円近辺のフシを突破して強基調の形だ。指標面には依然として割安感があり、過熱感を冷ますための自律調整を挟みながら上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
非鉄金属専門商社のアルコニックス<3036>(東1)の株価は1月高値2424円を突破して年初来高値を更新し、08年高値2675円に接近している。
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2014-06-12 09:30