東洋建設は戻り高値圏で堅調、煮詰まり感強めボックス上放れも
海洋土木工事が主力の東洋建設 <1890> の株価は概ね330円~380円近辺でのボックス展開だが、足元は戻り高値圏で堅調に推移して煮詰まり感も強めている。ボックス上放れの可能性が高まっているようだ。中期的に事業環境は良好であり、13年11月高値398円を目指す展開だろう。
前田建設工業 <1824> の持分法適用関連会社で、港湾インフラ工事など国内外での海洋土木工事を主力としている。国内での震災復旧・復興関連、老朽化インフラ更新関連、国際コンテナ戦略港湾整備関連、遠隔離島の港湾整備関連、海外での新興国港湾インフラ整備関連など中期的に事業環境は良好であり、浮体式洋上風力発電関連、放射性物質セシウム除染関連などテーマ性も豊富である。浮体式洋上風力発電に関しては12年9月設立の6社1協会による「地域振興型アクア・ウインド事業化研究会」に参画している。
海外に関しては、ケニアとインドネシアで受注した大型港湾工事を施工中である。また13年10月にはベトナムでニソン製油所の海洋工事を単独受注した。さらに14年2月にはミャンマーから建設業の営業許可を取得してヤンゴンに出張所を開設した。アジア・アフリカなど新興国における港湾インフラ整備関連工事の受注拡大が期待される。
14年5月に発表した新中期経営計画では、土木・建築・海外での安定した収益確保、グループ連携強化による相乗効果の創出などを基本戦略として、経営目標値に最終年度17年3月期連結営業利益50億円以上を掲げている。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月14日公表)は売上高が前期比2.0%減の1420億円、営業利益が同1.8%増の41億円、経常利益が同1.8%減の33億円、純利益が同9.9%減の18億円、配当予想が前期と同額の年間7円(期末一括)としている。
前期比ほぼ横ばいの会社見通しだが、完成工事売上が期末の第4四半期(1月~3月)に集中するため、期初時点では保守的な見通しとなる傾向が強い。しかし前期末工事繰越高(個別ベース)は前々期末比8.0%増の1137億33百万円と高水準である。国内の震災復旧・復興関連、港湾インフラ整備関連、都市インフラ整備関連、そして海外の港湾インフラ整備関連など事業環境は良好であり、工事採算の改善も寄与して上振れ余地があるだろう。
株価の動きを見ると、13年11月高値398円から反落後は概ね330円~380円近辺のレンジでボックス展開が続いている。足元は5月21日の直近安値327円から6月9日の370円まで切り返して、レンジ上限に接近している。
6月11日の終値368円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円49銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS277円31銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を回復した。ボックス展開に煮詰まり感を強めており、レンジ上放れの可能性が高まっている。13年11月高値398円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
海洋土木工事が主力の東洋建設<1890>(東1)の株価は概ね330円~380円近辺でのボックス展開だが、足元は戻り高値圏で堅調に推移して煮詰まり感も強めている。
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2014-06-12 09:30