【為替本日の注目点】株価大幅反落もドル円深い下押しなし、ドル高円安予想が増加
NY市場
102円台を維持してきたドル円は、欧州市場では株価の下落に反応し、約10日振りに102円を割り込み101円86銭までドル安が進む。NY市場では目だった動意もなく、102円を挟んでもみ合い、同水準で引ける。
前日急落したユーロドルは1.35台前半から半ばで一進一退。ドル円が円高に振れた分、、ユーロ円は一時4ヶ月振りとなる137円88銭までユーロ安が進行。
ポンドは失業率が市場予想より改善したことを受けて上昇。対ドルでは1.67台半ばから1.68台に乗せる場面も。
株式市場は大幅に反落。世銀が世界経済の見通しを下方修正したことや欧州株が軟調だったことを受けダウは100ドルを超える下落。
債券相場は横ばい。10年債入札が低調だったことで、朝方の上昇分を相殺した格好に。10年債利回りは前日と変わらず2.64%。
金は3日続伸。原油も反発。
5月財政収支 → -1300億ドル
ドル/円 101.90 ~ 102.07
ユーロ/ドル 1.3525 ~ 1.3555
ユーロ/円 137.88 ~ 138.23
NYダウ -102.04 → 16,843.88ドル
GOLD +1.10 → 1,261.20ドル
WTI +0.05 → 104.40ドル
米10年国債 ±0 → 2.640%
本日の注目イベント
豪 豪5月雇用統計
欧 ECB月例報告
欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
米 5月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
ドル円の方向をややドル高円安方向に見ていましたが、昨日の欧州時間にあっさり102円台を割り込み、10日振りに101円86銭まで下落しました。これといって目立ったドル売り材料が出たわけでもなく、あえて探せば、世銀が世界経済の成長率を下方修正したことや、高騰を続けていた欧州株が下落して、日経平均先物も1万5000円の大台を割り込んだことが挙げられます。
ただ世銀の下方修正は、前日のIMFの成長率の下方修正に沿ったもので、材料としては新鮮味に欠けるとの印象でしたが、それでもいつものように下落時のスピードは、緩慢な相場展開が続いていた最近の相場展開の中では、目を引く動きでした。
昨日の下落でドル円は、「日足」の「三角保ち合い」を下抜けしています。NY市場では一段の下落には至っていないため、まだ「MACD」ではデッドクロスを完成していませんし、かろうじて「プラス圏」に留まっています。ここからさらに下落するようだと、再び「レンジ相場の下限」を試す可能性も出てくることから、ここ数日の値動きは重要です。仮に101円台半ばが割れるようだと、「200日線」を下抜けすることになり、再び100円-103円の膠着相場が抜け切れないことになります。
NY株式市場がさすがに反落しました。なにしろNYダウに至っては今月に入って、前日比で下落したのは2回しかありません。そして史上最高値を更新したのは5回もあります。上昇のスピードが早すぎるといえます。1万7000ドルを目前に反落したのもある意味健全な調整といえるでしょう。
一方債券相場は昨日のように株価が大きく下落すると買われ、利回りが低下するのが一般的です。しかし、昨日も長期金利は2.64%を維持し低下していません。先週からはこれまでの動きを修正するように「株高債券安」の流れになり「リスクオン」が進みました。米モルガンスタンレーは顧客向けのレターで「米国債をできるだけアンダーウェート」にするよう提案しており、大手のヘッジファンドにも同様な動きが見られます。
市場が再びドル円の下値を試す雰囲気になりつつありますが、米長期金利が現在の水準を維持しているのであれば、それ程深い下押しはないと予想されます。通貨オプション市場でも、リスク・リバーサル(1ヶ月物、25デルタ)のマイナス幅が縮小し、「ドル高円安」を予想する市場参加者が増えていることを示しています。本日は日経平均株価も軟調に推移しそうです。株価がどの程度下げるかにもよりますが、レンジは101円50銭~102円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
102円台を維持してきたドル円は、欧州市場では株価の下落に反応し、約10日振りに102円を割り込み101円86銭までドル安が進む。NY市場では目だった動意もなく、102円を挟んでもみ合い、同水準で引ける。
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2014-06-12 09:30