欧州デフレ危機、何が問題で為替はどう動くか?=為替王
日本は去年、デフレ脱却のために日銀が量的緩和をおこない、為替は急速に円安になりました。欧州ユーロ圏も現在、デフレ危機に直面していて「量的緩和→ユーロ安(円高)」のシナリオが浮上しています。ヨーロッパでいま何が起きているのか?解説いたします。
■欧州もデフレ危機?
欧州ユーロ圏の消費者物価指数(前年比変化率)は昔はおよそ2~3%程度だったのですが、欧州債務危機などの影響もあって経済活動は鈍化、停滞の流れが強まり、物価上昇率もじわじわ低下して直近は0.5%まで下がってきました。物価上昇率がゼロを下回ってマイナスになると、いわゆる「デフレ」の状態となります。
■デフレはなぜ悪い?
「デフレ」は物価が下がるので良い事のように思われがちですが、給料も減り、雇用も減り、経済全体が縮小して出口の見えない不況に陥るおそれがあります。日本国民も長年「デフレ不況」に苦しめられました。
■デフレを回避・脱却する方法は?
アベノミクスはデフレ脱却を目標にしており、そのためのひとつの手段として、日銀が2013年春に過去に例のない大規模な量的緩和策を発表しました。その後の経済指標を見る限り、日本のデフレ(物価下落)は止まりました。
■欧州も日銀のマネをする?
欧州ユーロ圏は現在、デフレの一歩手前の状態です。日本のデフレ不況の二の舞だけは絶対に避けたいとの危機感があります。そのため、まだデフレにはなっていないものの、その前に手を打つ(量的緩和を実施する)可能性もあると考えられます。
■もし欧州が量的緩和をおこなったら為替はどう動く?
過去の日米の事例を見ますと、量的緩和を行うと通貨が下落する傾向が強まります(米国なら米ドル安、日本なら円安)。去年、日銀が量的緩和を発表した後のユーロ円の為替レートは119円から年末には145円までユーロ高(円安)が進みました。現時点で、欧州ユーロ圏が量的緩和を実施するかどうかが不透明であることに加えて、実施されたとしても小規模であれば、為替への影響は小さいかもしれません。ただ現状、ユーロ圏が「年内に量的緩和をするのではないか?」「だとすれば為替はユーロ安(円高)が進むのではないか?」といった見方も浮上しています。(執筆者:為替王)
日本は去年、デフレ脱却のために日銀が量的緩和をおこない、為替は急速に円安になりました。欧州ユーロ圏も現在、デフレ危機に直面していて「量的緩和→ユーロ安(円高)」のシナリオが浮上しています。ヨーロッパでいま何が起きているのか?解説いたします。
economic
2014-06-12 11:45