カナモトは高値更新の展開、自律調整一巡して再動意のタイミング

  建設機械レンタル大手のカナモト <9678> の株価は高値更新の展開だ。5月30日に4020円を付けた後、目先的な過熱感を強めて上げ一服となったが、足元の3700円台で自律調整一巡感を強めている。再動意のタイミングだろう。建設関連ビッグプロジェクトが目白押しで中期的に事業環境は良好であり、今期(14年10月期)業績再増額の可能性もあるだろう。上値追いの展開が想定される。   建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタルなども展開している。北海道を地盤に東北、関東、中部、近畿、九州にも営業拠点網を拡充して全国展開を加速し、12年6月に道路建機レンタルと道路工事施工のユナイトを子会社化するなど、グループ戦略やアライアンス戦略も強化している。   14年4月には、環境保全設備や地下施設建設機械などの製造・レンタルを手掛ける子会社のKGフローテクノが、中国・上海に現地法人を設立した。中国で需要拡大が見込める環境保全設備や地下施設建設機械の事業展開を推進する。   6月6日発表の今期(14年10月期)第2四半期累計(11月~4月)連結業績(5月29日に増額)は、売上高が前年同期比17.3%増の642億12百万円、営業利益が同49.2%増の100億72百万円、経常利益が同46.9%増の98億60百万円、純利益が同52.1%増の56億51百万円の大幅増収増益だった。主力の建設機械レンタルの好調が牽引した。   セグメント別に見ると、建設関連事業は売上高が同17.6%増の604億49百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同49.8%増の98億25百万円だった。建設機械レンタル需要が高水準に推移して、中古建設機械販売の好調も寄与した。その他事業は売上高が同13.6%増の37億63百万円、営業利益が同26.4%増の79百万円だった。鉄鋼製品販売事業、情報通信関連事業、人材派遣事業とも好調に推移した。   通期の連結業績見通しは5月29日に増額修正している。前回予想(13年12月11日公表)に対して、売上高は51億円増額して前期比10.6%増の1226億円とした。営業利益は34億80百万円増額して同40.5%増の160億10百万円、経常利益は34億50百万円増額して同40.3%増の155億40百万円、純利益は17億20百万円増額して同33.8%増の77億70百万円としている。   震災復旧・復興関連工事、防災・減災・耐震化関連工事、老朽化インフラ補修・更新関連工事、都市再開発関連工事、激甚災害現場の復旧工事などが活発であり、営業拠点網拡充などの営業強化策も寄与して建設機械レンタル需要が引き続き高水準で推移する。販管費抑制などの効果も寄与して大幅増収増益見込みだ。   通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が52.4%、営業利益が62.9%、経常利益が63.4%、純利益が72.7%と高水準である。公共投資の比率が高まる年度末(1月~3月)が当社の第2四半期累計に当たることや、人手不足による工事遅延などの影響を考慮しても、通期見通し再増額の可能性があるだろう。20年東京夏季五輪やリニア中央新幹線など建設関連ビッグプロジェクトが目白押しであり、中期的にも事業環境は良好だ。   株価の動きを見ると、水準を切り上げて強基調の展開が続いている。4月以降は上げ足を速める形となり、5月29日の今期業績見通しの増額修正も好感して5月30日には4020円まで上値を伸ばす場面があった。その後は目先的な過熱感を強めたこともあり、一旦は利益確定売りが優勢となって上げ一服の形だが、足元の3700円台で自律調整一巡感を強めている。   6月12日の終値3780円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS215円59銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1513円49銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。高値圏での短期自律調整が一巡して上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設機械レンタル大手のカナモト<9678>(東1)の株価は高値更新の展開だ。5月30日に4020円を付けた後、目先的な過熱感を強めて上げ一服となったが、足元の3700円台で自律調整一巡感を強めている。
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2014-06-13 09:15