川崎近海汽船はモミ合い上放れ展開、13年11月高値試す

  川崎近海汽船 <9179> (東2)の株価は、6月12日に322円まで上伸する場面があり、290円~310円近辺でのモミ合い展開から上放れの形となった。今期(15年3月期)増収増益見通しであり、指標面の割安感も支援材料に14年1月の戻り高値338円、さらに13年11月の高値347円を試す展開だろう。   石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、その他事業(北海道地区における不動産賃貸事業など)を展開している。   14年4月に発表した14年度中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間総額の投資額135億円を掲げている。近海部門では船隊大型化、バルク輸送の船隊整備、内航部門では不定期船輸送の船隊整備などを推進する方針だ。   なお建造中の新造RORO船は5代目「北王丸」と命名され、5月29日に進水した。14年8月には、北海道~関東の物流大動脈である苫小牧/常陸那珂航路に就航する予定だ。   中期成長に向けた新規分野として、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出し、13年10月にオフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立している。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月30日公表)は、売上高が前期比4.1%増の475億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円、そして配当予想は同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。復興関連需要などで好調な内航部門が牽引する。なお想定為替レートは1米ドル=105円(前期実績は1米ドル=99円52銭)としている。   近海部門では石炭・セメントなどのバルク輸送、内航部門では石灰石・石炭などの専用船輸送やRORO船定期航路が堅調に推移し、船舶量適正化や運航コスト削減なども寄与する。燃料油価格の上昇などを吸収して営業増益見込みだ。世界的な景気回復などで近海部門の市況が上向くことも期待される。純利益は前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡が寄与する。会社見通しには保守的な印象も強く、上振れ余地があるだろう。   株価の動きを見ると、1月の戻り高値338円から反落後は290~310円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、6月11日に312円を付け、さらに6月12日には322円まで上伸する場面があり、モミ合い上放れの展開となった。今期増収増益見通しを評価する動きだろう。   6月12日の終値320円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸し、モミ合いから上放れの展開となった。指標面の割安感も支援材料であり、強基調に転換して14年1月の戻り高値338円、さらに13年11月の高値347円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は、6月12日に322円まで上伸する場面があり、290円~310円近辺でのモミ合い展開から上放れの形となった。
economic
2014-06-13 09:15