日本エム・ディ・エムは収益改善基調を評価して出直り

  医療機器商社の日本エム・ディ・エム <7600> の株価は軟調展開が続いたが、5月21日の安値258円から切り返して足元では290円近辺まで戻している。5月安値で底打ちして強基調に転換した可能性があり、収益改善基調や低PBRを評価して出直り展開だろう。   人工関節製品、脊椎固定器具、骨接合材料など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が13年3月期に終了した影響で一時的に収益が悪化したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販と、それに伴う自社製品比率上昇による売上総利益率改善効果で収益改善基調を鮮明にしている。   13年11月には米ODEV社製の人工膝関節新製品「BKS-Momentum」および「E-Vitalize」が米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得し、14年1月から米国で販売を開始した。日本では14年5月から人工膝関節新製品「BKSオフセットティビアルトレイ」の販売を開始する。米ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得している。高齢化社会到来を背景として中期的に収益拡大が期待される。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月30日公表)は売上高が前期比11.0%増の105億円、営業利益が同39.1%増の9億20百万円、経常利益が同47.1%増の7億円、純利益が同39.5%増の4億円、そして配当予想は前期と同額の年間5円(期末一括)としている。   米ODEV社製の人工股間接製品「オベーションヒップシステム」、脊椎固定器具「Vusion OS インターボディ Cage」、当社と米ODEV社が共同開発した骨接合材料製品「MODE」、前期から販売開始した「MDMプリマヒップスクリューシステム」などの販売が日本と米国で好調に推移する。今期投入の新製品も寄与する。さらに自社製品比率上昇による売上総利益率改善効果で大幅増益見込みだ。なお自社製品比率の計画は前期比6.5ポイント上昇の80.9%で、想定為替レートは1米ドル=102円としている。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して280円近辺の下値支持線を割り込んで下押す場面があったが、5月21日の安値258円から切り返しの動きとなり、足元では290円近辺まで戻している。収益改善基調を評価すれば売られ過ぎ感を強めていただけに、今期の大幅増益予想を見直す動きのようだ。   6月12日の終値287円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円12銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS417円65銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると5月安値で長い下ヒゲを付け、戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。5月安値で底打ちして強基調に転換した可能性があり、低PBRも支援材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器商社の日本エム・ディ・エムの株価は軟調展開が続いたが、5月21日の安値258円から切り返して足元では290円近辺まで戻している。
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2014-06-13 09:15