【為替本日の注目点】米株安で円高ドル安方向に、黒田総裁発言でドル売りの可能性も

 NY市場  ドル円は軟調な米経済指標を受け再び102円を割り込む。小売売上高が市場予想に届かなかったことから、株安、金利低下につながり、ドル円は101円60銭近辺まで売られる。   ドル安が進んだことでユーロドルは上値が重いものの底堅く推移。1.35台前半から1.35台半ばでもみ合い、ECBの次の動きを探る展開。ドル円が大きく下落したことで、ユーロ円は2月6日以来となる137円72銭まで下落。   株式市場は続落。軟調な小売売上高を嫌気して、ダウは2日連続で100ドルを超える下げを見せる。   債券相場は続伸。株安に加え、失業保険申請件数も増加していたことで債券への需要が拡大。長期金利は2.6%台を割り込む。   金は4日続伸。原油はイラクでの混乱を材料に急騰。約9ヶ月振りに106ドル台まで上昇。   5月小売売上高    → +0.3%   新規失業保険申請件数 → 31.7万件   ドル/円 101.60 ~ 102.14  ユーロ/ドル 1.3523 ~ 1.3572  ユーロ/円 137.72 ~ 138.17  NYダウ -109.69 → 16,734.19ドル  GOLD +12。80 → 1,274.00ドル  WTI +2.13  → 106.53ドル  米10年国債 -0.043  → 2.597%  本日の注目イベント  日   日銀金融政策決定会合   中   中国 5月工業生産   中   中国 5月小売売上高   欧   ユーロ圏4月貿易収支   米   5月生産者物価指数   米  6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)   ドル円は再び円高ドル安方向に傾きつつあります。懸念していたNY株式市場でダウは連日100ドルを超える下げを演じ、その他主要指標も軒なみ下げています。円が買われる場面があるとすれば、株式市場の下落がきっかけになる可能性を指摘してきましたが、ここ数日の動きはその通りになってきています。株安が進んでいるため、長期金利も再び低下傾向を示していますが、それでも昨日の水準はまだ2.6%をやや下回った水準で、大幅に低下している状況ではありません。  ドル円は一時101円60銭前後まで下落し、テクニカル的には再び日足の「200日線」が意識され始めて来ました。前回、100円82銭を記録した際にもこの「200日線」では結局下抜けできず反発しました。この時のドル安への流れのきっかけは、日銀決定会合後の黒田総裁の記者会見でした。そして偶然にもこの局面で、今日午後3時半から再び黒田総裁の会見が予定されています。  これまで過去3ヶ月連続で日銀総裁の記者会見直後からはドルが売られ円が買われる流れが続いています。市場の追加緩和観測を後退させる発言に終始していることから、発言するたびにわずかな期待がはがれる展開になっており、本日も「インフレ率は所期の目的どおりに上昇している」、「景気は想定通りの回復を見せている」といった発言があれば、市場はドル売りで攻める可能性があります。  昨日も東京時間では株安の割りにはドル円が粘り腰を見せ、102円台前半を維持していました。それを見て、一時200円を大きく超える下落を見せていた日経平均株価も70円程度まで下げ幅を縮小する場面もありましたが、結局海外市場で水準を変えられています。日足では小さな「三角保ち合い」を下抜けしたのが前日の下落であったため、徐々に上値が重くなっています。上記「200日線」を下抜けするようなら、101円の節目、そしてこれまで全て反発してきた100円台後半が試される展開も想定されます。  結局ドル円は、先々週に102円80銭まで上昇し、その後102円台で10日ほどもみ合いを続けてきましたが上値が重く、今回は下値を試すサイクルに入った印象もあります。引き続きNY株式市場の行方と、長期金利の動向が注目されますが、現時点では100円を割り込む状況ではないし、その勢いを感じ取ることはできません。101円ー103円のレンジが続くとは考えますが、いつものように予断は禁物です。  クロス円全般を見渡すと、やはり金融政策の差がそのまま相場に反映されていると感じます。ECBの包括的緩和の実施で、ユーロは全面安の展開が続き、ECBがさらに追加緩和に踏み切るのかどうかが相場の動きを難しくしています。  一方、昨日今年三回目の利上げに踏み切ったNZドルは堅調に推移し、さらにNZの連続利上げから、同じ政策スタンスを取るのではないかとの連想で豪ドルもしっかりです。またポンドも、利上げの時期が投資家の想定よりも早くなる可能性があると発言したカーニーBOE総裁の発言を受け、対ユーロでは2012年11月以来の高値水準を記録している状況です。  本日のレンジは黒田日銀総裁の記者会見があることから、やや下落方向で考えたほうがベターかもしれませんが、市場が既に想定していることから発言に反応しないことも考えられます。どちらかと言えば「レンジの下方」に近いことから、利益確定の買いが先行することもあり得ます。といったことで、101円~102円20銭程度のレンジを予想します。  スマホのオンラインゲームを巡るトラブルが急増しているとの報道がありました。特に9歳以下の子供が親に無断でカード決済をして、料金を請求されているケースが増えているそうです。中には2歳の子供もいたとか。2歳児がカード決済を自ら行うとは思えませんが、そもそも子供が楽しいものに興味を示すのは当たり前の話。スマホをきちんと管理できていない親の責任です。もしかしたらこの2歳児、将来はスティーブ・ジョブスのような人になるかもしれません。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は軟調な米経済指標を受け再び102円を割り込む。小売売上高が市場予想に届かなかったことから、株安、金利低下につながり、ドル円は101円60銭近辺まで売られる。
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2014-06-13 09:45