大和小田急建設は3月高値突破して上値追い
中堅ゼネコンの大和小田急建設 <1834> の株価は、3月の高値329円を突破して上値追いの展開となった。目先的には過熱感で乱高下の可能性もあるが、中期的に事業環境は良好であり、今期(15年3月期)営業増益見通しや指標面の割安感を評価して、07年2月高値399円も視野に入りそうだ。
大和ハウス工業 <1925> と小田急電鉄 <9007> が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連などの工事などを主力としている。公共インフラ補修・更新工事、マンション・鉄道関連耐震化工事、都市再開発、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連などで中期的に事業環境は明るい。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(5月8日公表)は売上高が前期比17.5%増の700億円、営業利益が同15.0%増の17億円、経常利益が同9.1%減の16億円、純利益が同20.6%減の9億円で、配当予想は前期と同額の年間7円(期末一括)としている。
受取配当金の一巡などで経常利益と純利益は減益見通しとしているが、前期末の手持ち工事高が前々期末比44.3%増の419億16百万円と高水準であり、労務費や資材費の上昇を吸収して営業増益見込みだ。
前期は販売用不動産の販売額が想定を上回ったことも営業利益押し上げ要因となったが、今期は選別受注の徹底や原価低減効果による完成工事(建築事業と土木事業)総利益率の上昇、さらにターゲットを絞った提案型営業の強化、優位性のあるエリアでの営業展開、経費削減などの効果も期待され、会社見通しには上振れ余地があるだろう。
株価の動き(4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、5月20日と5月21日に付けた直近安値270円から切り返しの展開となった。6月6日には330円を付けて3月高値329円を突破し、さらに6月16日には348円まで上値を伸ばした。短期調整が一巡して今期営業増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する動きだろう。
6月16日の終値345円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS41円46銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は2.0%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS585円08銭で算出)は0.6倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が10%を超えて目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調だ。指標面には割安感があり、過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。
また月足チャートで見ると、13年9月と14年3月の329円、10年1月の330円という長期の上値フシを上抜けた形だ。07年3月と07年12月の398円、そして07年2月の高値399円も視野に入るだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は、3月の高値329円を突破して上値追いの展開となった。
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2014-06-17 09:15