アートスパークHDは3月安値から下値切り上げて強基調に転換
グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス <3663> (東2)の株価は、急騰と急反落を繰り返す傾向も強いが、3月安値307円から下値を切り上げて強基調へ転換した。足元は6月9日の戻り高値612円から反動調整局面だったが、6月16日には前日比8.92%高まで急伸する場面があった。再動意のタイミングのようだ。
グラフィクス技術のセルシスとエイチアイが12年4月に統合した持株会社で、電子書籍ビューア「BS Reader」やグラフィクスソリューションなどのコンテンツソリューション事業、グラフィクスコンテンツ制作支援ツールなどのクリエイターサポート事業、3Dグラフィックス描画エンジンなどのUI/UX事業を展開している。アプリケーション事業は前期(13年12月期)から戦略的に事業の縮小を進めている。
13年11月には電子書籍ビューア「BS Reader for Browser」が、インフォコム <4348> グループのアムタスの電子書籍配信サービス「ekubostore」に採用された。
クリエイターサポート事業では、マンガ制作ソフト「ComicStudio」が01年の販売開始から世界累計出荷本数が160万本を超えている。マンガ・イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」の出荷本数は14年3月に40万本を超えた。またクリエイターの創作活動を支援するサイト「CLIP」では14年3月末時点の登録者数が39万人となった。
さらに13年12月にはエイチアイがロボットカー関連技術を持つZMPの第三者割当増資を引き受け、14年2月にはエイチアイがエイチアイ関西の株式を取得、14年4月にはエイチアイが組み込み機器向けソフトウェア開発のユーアイズデザインの株式を取得した。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(1月31日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.4%増の37億75百万円、営業利益が63百万円(前期は69百万円の赤字)、経常利益が36百万円(同68百万円の赤字)、純利益が同39.3%減の26百万円としている。純利益は法人税等の関係で減益見込みだ。
第1四半期(1月~3月)はUI/UX事業でのモバイル向けロイヤリティ収入の減少、営業外での為替差損の計上、持分法投資損失の計上などで大幅減収となり、各利益は赤字だった。第2四半期累計(1月~6月)も赤字が残る計画だ。
ただし通期ベースでは、コンテンツソリューション事業での法人向けグラフィクス関連強化、クリエイターサポート事業での「CLIP STUDIO」シリーズ拡販と国内直販強化、UI/UX事業での関西圏営業強化、製品開発の効率化、原価管理の徹底などで増収営業黒字化を見込んでいる。グループ共通コアエンジンの開発にも着手する方針だ。
株価の動きを見ると、急騰と急反落を繰り返す傾向も強いが、3月の年初来安値307円から、4月安値332円、5月安値372円と下値を切り上げている。足元は5月20日と21日の直近安値372円から6月9日の612円まで急騰した反動調整局面だが、6月16日には前日比44円(8.92%)高の537円まで急伸する場面があった。再動意の構えのようだ。
6月16日の終値504円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円90銭で算出)は129倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS340円55銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると3月安値から下値を切り上げて26週移動平均線を突破した。強基調へ転換した形だろう。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して急反発の形となった。再動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス<3663>(東2)の株価は、急騰と急反落を繰り返す傾向も強いが、3月安値307円から下値を切り上げて強基調へ転換した。
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2014-06-17 09:30