日ペイントは最高値更新、業績上ぶれ・連続増配期待が再燃し割安株買いが増勢
日本ペイント <4612> は、73円高の1907円と5営業日続伸し、1月21日につけた上場来高値1896円を更新している。今年6月13日に発売された東洋経済会社四季報夏号で、同社の今2015年3月期業績の上ぶれと連続増配が再び観測されたことを手掛かりに割安株買いが再燃し増勢となっている。株価の出直りとともに、信用売り残が再び積み上がり、売り長で逆日歩がつく好需給に変わったことも、株価押し上げ効果を発揮している。
■アジア地域合弁会社の連結化の影響で大幅な業績押し上げ観測
同社の今2015年3月期業績は、売り上げ2700億円(前期比3.6%増)、経常利益470億円(同0.1%増)、純利益325億円(同1.1%増)と続伸が予想され、純利益は、連続して過去最高を更新する。国内では自動車用塗料の減少や消費税増税の影響を受け汎用塗料、工業用の需要が不透明化しているが、海外では、汎用塗料中心の中国や自動車用塗料を展開する北米が堅調に推移し、原材料価格の上昇を国内やアジアの合弁会社を含めて取り組んでいる原価低減活動などでカバーして続伸する。
ただしこの今期業績の見通しには、今年2月に発表したアジア地域の合弁持分法会社の連結化の影響は織り込んでいない。この連結子会社化は、ウットラム社(香港)と経営統合し世界4位の塗料メーカーに躍進、グローバル展開を目指すもので、実際の連結化は、各国の独禁法当局の承認次第となっている。東洋経済会社四季報夏号では、この影響を含めて同社の今期業績を売り上げ3900億円、経常利益558億円、純利益390億円、配当も20~24円(前期実績20円)と予想しているだけに、今後の業績動向が注目されることになる。
■株価出直りで信用売り残も積み上がり再び逆日歩がつく好需給
株価は、前期業績の上方修正や信用好需給などを手掛かりに買い進まれた上場来高値1896円から、アジア地域合弁持分法会社の連結子会社化と同時に発表した6000万株の第3者割当増資(発行価格1705円)を嫌ってストップ安を伴って年初来安値1301円まで急落、このときに開けた窓をようやく埋めてきた。PERは15倍台と割安であり、株価の出直りとともに再び信用売り残も積み上がり逆日歩のつく好需給となっており、最高値抜けから一段の上値追いも想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
日本ペイント<4612>(東1)は、73円高の1907円と5営業日続伸し、1月21日につけた上場来高値1896円を更新している。
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2014-06-17 12:30