うかいはモミ合い上放れて強基調に転換、1月高値目指す
高級料理店うかい <7621> (JQS)の株価は6月17日に2180円まで上伸する場面があり、急反落した4月以降の安値圏2000円近辺でのモミ合い展開から上放れた。消費増税の反動影響に対する警戒感を織り込んで調整が一巡したようだ。強基調に転換した形であり、今期(15年3月期)営業増益見通しを評価して3月戻り高値2440円、さらに1月高値2580円を目指す展開だろう。
飲食事業(高級和食・洋食店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。新たな成長ステージに向けた戦略として、商圏1万キロに向けたブランド構築、新業態の定着と新規出店、海外へのブランド発信と海外企業との業務提携、サービス向上のための人材育成、製菓工房「アトリエうかい」の本格稼働、和食店のお土産品強化、物販における販路開拓などを推進している。
14年4月には、国内で4年ぶりの新店となる新業態の割烹料理店「銀座kappou ukai(呼称:割烹うかい)」をオープンした。海外は13年5月に、台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結して海外初出店を決定した。16年のオープンに向けて準備を進めている。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(5月19日公表)は、売上高が前期比4.4%増の125億55百万円、営業利益が同27.8%増の4億91百万円、経常利益が同30.2%増の4億26百万円、そして純利益が同11.7%減の2億31百万円で、配当予想は前期と同額だが期末一括の年間15円としている。純利益は繰越欠損金解消に伴う税金費用増加が影響して減益見込みだが、増収効果で人件費の増加や創業50周年関連の販促広告費を吸収して大幅営業増益見込みだ。
セグメント別売上高(新店含む)の計画は、和食事業が前期比6.1%増の59億20百万円、洋食事業が同2.7%増の53億91百万円、文化事業が同4.0%増の12億44百万円で、既存店売上高は同4.4%増収の計画としている。圏央道相模原愛川IC~高尾山IC間の開通に伴う商圏拡大効果、コースメニュー見直しやアトリエ商品販売による客単価上昇に加えて、14年4月オープンの4年ぶり新店「銀座kappou ukai」が寄与する。売上高は保守的な見通しとしており、上振れ余地があるだろう。
月次売上高(前年比、アトリエうかいの店頭販売含む)を見ると、14年5月は全店100.5%、既存店98.8%だった。既存店売上高は大雪の影響を受けた14年2月の90.1%以来の前年割れとなった。客数が94.4%で消費増税の反動影響を受けた可能性があるが、客単価は104.8%で13年3月から15カ月連続の前年比プラスだった。高額消費の流れは継続しているようだ。
中長期計画では17年3月期売上高127億53百万円、営業利益6億40百万円を目標値として掲げている。ブランド認知度の向上、商圏の拡大、高額消費の活発化、訪日外国人観光客の増加などを背景とする好調な流れに変化はなく、13年12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことも支援材料であり、収益は拡大基調だろう。
なお株主優待の実施時期を、従来の毎年3月期末から、毎年9月中間期末に変更した。今期9月中間期末(14年9月末)から実施する。
株価の動きを見ると、戻り高値圏2400円近辺から3月期末の配当権利落ちなどで急反落し、4月以降は概ね2000円近辺でモミ合う展開だったが、6月17日には2180円まで上伸する場面があり、モミ合いから上放れの動きを強めている。消費増税の反動影響に対する警戒感を織り込んで調整が一巡したようだ。
6月17日の終値2155円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS44円98銭で算出)は48倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は0.7%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS925円47銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると、2000円近辺でのモミ合いから上放れて、13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。強基調に転換した形であり、3月の戻り高値2440円、さらに1月高値2580円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
高級料理店うかい<7621>(JQS)の株価は6月17日に2180円まで上伸する場面があり、急反落した4月以降の安値圏2000円近辺でのモミ合い展開から上放れた。
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2014-06-18 09:00