【為替本日の注目点】米CPI上昇でドル買い円売りも、102円台半ば上抜けは困難
NY市場
ドル円は102円を挟む展開から、米5月のCPIが市場予想を上回る強さを示したことを受け102円24銭まで上昇。ここ最近のレンジの上限でもみ合い、102円14-18銭で引ける。
ユーロドルは1.35台半ばを超えると売られる展開。独ZEW景況感指数が軟調だったことで1.3536まで売られたが明確な方向性は見られず。
株式市場は続伸。CPIの発表を受けて下げる場面もあったが、小型株を中心に上昇。ダウは27ドル高で1万6800ドル台を回復。
5月のCPIの伸びが加速したことで債券は大幅安。10年債利回りは2週間振りに2.65%台まで上昇。2年債利回りも一時0.49%と昨年9月以来となる水準を記録。
金はドルが買われたことから反落。原油も利益確定の売りに押され続落。
5月消費者物価指数 → +0.4%
5月住宅着工件数 → 100.1万件
5月建設許可件数 → 99.1万件
ドル/円 101.94~ 102.24
ユーロ/ドル 1.3536 ~ 1.3571
ユーロ/円 138.27 ~ 138.49
NYダウ +27.48 → 16,808.49ドル
GOLD -3.30 → 1,272.00ドル
WTI -0.54 → 106.36ドル
米10年国債 +0.056 → 2.653%
本日の注目イベント
日 日銀金融政策決定会合議事要旨(5月20日、21日分)
日 5月貿易収支
英 BOE議事録
米 FOMC政策発表
米 イエレン議長記者会見
米 バーナンキ・FRB前議長講演
ドル円は小動きの中、昨日の東京タイムからジリ高となり、102円台を回復。102円台ではレベル感からドル売り意欲も強く、101円台後半に押し戻される展開でした。NY市場に入ると5月の消費者物価指数(CPI)が、市場予想を上回る、プラス0.4%と発表されたことで、インフレ圧力が強まるとの観測から長期金利が上昇し、ドル円は102円24銭まで買われました。
米長期金利は2.65%台まで上昇し、2年債利回りも一時は昨年9月6日以来となる0.49%台まで上昇し、0.48%で引けています。米金利の上昇で日米金利差が拡大し、ドル買い円売りにつながったものの、明日未明に行われるイエレン議長の記者会見では、米景気に対する強気の発言は出ないとの見方が有力で、このままドル高が進み、103円を目指す展開でもないように思えます。ただそれでも、米長期金利の低下傾向は5月で終わり、今月に入ってからは上昇局面が目立つようになっています。ショートカバーの買戻しが5月で終わり、需給面からの相場への影響が少なくなっていると考えられます。
昨日の朝方に発表されたRBAの議事録で、緩和的な政策が当面適切であるとの内容から豪ドルが急落しました。市場はやや利上げを示唆するような内容か、あるいはニュートラルな内容を想定していましたが、現在の緩和的な政策姿勢は「当面はなお適切である公算が大きい」との文言に対ドルでは、0.9390レベルから、0.9330近辺まで売られました。
また、豪ドルの水準についても「歴史的基準に照らし、依然高めである」との認識を示したことも豪ドル売りを加速させました。ただ対円ではドル円がやや円安方向に振れたこともあり、依然として95円台前半を維持しております。95円15銭近辺には「雲」の上限がり、さらにそのすぐ下には「52日線」も来ていることから、「95円が維持できるかどうか」がポイントになりそうです。
本日は朝方に日本の5月の貿易収支が発表されます。4月は8117億円の貿易赤字で、赤字幅が縮小していましたが、5月は既に上中旬の赤字幅が1兆円を超えているため1兆円超えは確実の情勢で、どこまで赤字幅が拡大するのかが注目されます。赤字幅の程度によってはドル円が一段上値を試すことも考えられますが、それでも102円台半ばを上抜けするのは簡単ではありません。どこまで上値を取りに行くのかを確認したいと思います。イエレン議長の記者会見は明日未明の3時からの予定になっています。予想レンジは101円60銭~102円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は102円を挟む展開から、米5月のCPIが市場予想を上回る強さを示したことを受け102円24銭まで上昇。ここ最近のレンジの上限でもみ合い、102円14-18銭で引ける。
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2014-06-18 09:30