親に似ない子は鬼っ子か―生物学的には均一な「ヒト」と「人」が作る格差社会

日本経営管理教育協会が見る中国 第311回--坂本晃(日本経営管理教育協会特別顧問) ● 73億人弱の人類   宇宙の年齢は、NASA(米航空宇宙局)の推計によると137億年、太陽は46億年、地球は少し遅く、45億4000万年前の誕生と推測されている。   生物の誕生は40億年、人類は5~600万年ぐらい前に原型が、2000年~3000年前が有史といわれている。   2014年で地球の人口は73億人と推計されており、地球上の広い地域で生活している。町を歩いていて不思議に思うのは、多少の大きさや色彩に差異はあるもの、現在人類の分類されている人々は、ほぼ同じように頭をもち、手足と胴体を有し、顔も類似している。猿と半々というような人はいない。   現在開発途上国といわれている国・地域の人々と先進国の人々とは、経済的な格差のために生活を共にできないことはあっても、生物的に異なるために子孫を共有できないことはない。これほど品質が揃っているのは不思議である。   地域による食生活や文化の差からくる多少の違いはあっても、73億人の品質がこれほど均一なのは神の仕業なのであろうか。 ● 国・地域という縦割りに対して仕事は横割り   人間は住んでいる国や地域で、いわば縦割りの地域社会を形成し、民族が異なると、異なる文化を形成しているのが現状である。かなり交通機関が発達してきてはいるが、一般の人々の日常的な行動範囲は限られる。   地域というものが、人々の生活の基盤であり、日常的に生活する地域を大きくまたいで生活できること人はごく少数に限られている。   ある国・地域のなかでは、他の国や地域と部分的には相互に貿易や流通を通じて交流することはあっても、基本的にはどこかの国や地域で生活することを余儀なくされている。   そのなかでは、分業と流通を通じて職を得、かつ生活している。一般的には1次産業、2次、3次、最近では6次産業などという考え方もでている。どのような仕事を生涯にわたって従事して生活の糧を得られるか、世界的に見て、類似の仕事に従事する人は、世界共通のなにか基盤を持っていると考えられる。   友人、知人の生涯を観察してみると、基本的には自分の意思で親を選べないように、胎児のうちから運命づけられているように思える。生涯のなかで、好むと好まざるとに関わらず、ある仕事に従事し、次世代を育て、その範囲で生涯を送ることになっているようだ。 ● 世襲と格差   政治家や芸能人を初めとして、世襲が世界的にも話題になることが多い。胎児に至る前の課程から運命づけられるのであろう。クローンに関する技術の進歩は、生まれる以前に生涯を形成されるようになる可能性がある。   オリンピックで金メダルをとるには、今後はおそらく、少なくとも2世代、つまり両親ともにメダル獲得者が次の世代を産み育てることが求められるであろう。経済的に成功した人の子孫、逆に逆境の場合も世代にわたってその状態が継続する可能生は高いように思える。   この格差是正の問題は、人類の永遠の課題であろう。(執筆者:坂本晃・日本経営管理教育協会特別顧問 編集担当:水野陽子)   
宇宙の年齢は、NASA(米航空宇宙局)の推計によると137億年、太陽は46億年、地球は少し遅く、45億4000万年前の誕生と推測されている。生物の誕生は40億年、人類は5~600万年ぐらい前に原型が、2000年~3000年前が有史といわれている。
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2014-06-18 11:00