中国レアアース連想?「グラファイト」安価で海外へ・・・枯渇する危険性も=中国メディア

 2010年ノーベル物理学賞が授与された研究のテーマとなった「グラフェン」は、グラファイト(石墨)を原子1つ分の単一層とした新しい素材だ。中国メディアの中国新聞網は17日、グラフェンの原料であるグラファイトについて、「中国のグラファイト資源は20年内に枯渇してしまうかも知れない」と論じた。  記事はまず、グラフェンについて「多くの科学者が革命をもたらす新材料だと考えている」と紹介、電子産業を新しい発展段階へと導き、巨額の金が動く素材になると論じた。  さらに、グラファイトは特殊な結合によって高温に強く、耐熱衝撃性に優れ、また電気伝導率も高く、耐化学薬品性があるなど、多くの優れた特性を持つ物質であると紹介し、「新技術、先端技術において不可欠な資源であり、21世紀はグラファイトの時代になると予想する専門家もいるほど」と論じた。  続けて、世界のグラファイトの埋蔵量は約7100万トンで、うち5500万トンが中国に存在すると主張する一方、中国ではグラファイトがレアアース(希土類)のように「戦略資源として扱われていない」と不満を示した。さらに、中国ではグラファイトを原料として1トンあたり3000-4000元(約5万円-約6万5000円)ほどで輸出していながら、「中国は国外で加工されたグラファイト製品を10万元-20万元(約164万円-約328万円)で輸入している」と伝えた。  続けて、中国石墨行業協会の張彬会長がメディアに対して語った言葉を引用し、中国のグラファイト業界において、川下にあたる生産・加工企業が育たない限り、中国がグラファイトの輸出において「日米に価格決定権を握られたままだ」と主張。「中国のグラファイト製品には海外の製品と争えるだけの競争力がないため、中国は海外から高い金額でグラファイト製品を購入せざるを得ない」と論じた。  さらに黒龍江省が「中国ではグラファイトの乱掘が行われており、あと20年もすればグラファイト資源が枯渇してしまう」との報告を発表したことを紹介、中国でのグラファイト市場には秩序が存在しないため輸出においても価格競争になっており、「わが国の資源が安価で海外に流出している」と危機感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
2010年ノーベル物理学賞が授与された研究のテーマとなった「グラフェン」は、グラファイト(石墨)を原子1つ分の単一層とした新しい素材だ。中国メディアの一財網は17日、グラフェンの原料であるグラファイトについて、「中国のグラファイト資源は20年内に枯渇してしまうかも知れない」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-06-18 13:00