フリービットは戻り高値更新の展開、13年12月高値目指す
インターネットインフラ提供事業のフリービット <3843> (東マ)の株価は戻り高値更新の展開だ。目先的な過熱感などで6月12日2155円から6月17日1777円まで一旦反落したが、6月18日には1900円まで急反発する場面があった。25日移動平均線が接近して再動意のようだ。格安スマートフォン関連が材料視され、今期増収増益見通しも評価して13年12月高値2828円を目指す。
通信事業者から借り受けた通信インフラを利用して、ブロードバンドインフラ事業(ISP事業者向けネットワークサービス等)、クラウドコンピューティングインフラ事業(独自の仮想化技術によるクラウド系サービス等)、アドテクノロジーインフラ事業(企業のWEB戦略支援サービス等)、次世代インターネット・ユビキタスインフラ事業(ユビキタス家電の企画・販売等)、B2C事業(個人向けインターネット接続サービス等)などを展開している。
基本戦略は4つのインフラを「スマートインフラ」と定義し、これらを垂直統合して一気通貫でサービスを提供するMCI(マルチ・レイヤー・コンポーネンント・インテグレーション)戦略だ。
グループ会社としては、ISP事業者向けブロードバンドインフラのギガプライズ <3830> 、法人向けクラウドコンピューティングインフラのベッコアメ・インターネット(BI)、法人向けSEO(検索エンジン最適化)などアドテクノロジーインフラのフルスピード <2159> 、個人向け(B2C)インターネット接続サービスプロバイダのドリーム・トレイン・インターネット(DTI)などを傘下に置いている。
B2C事業では、独自開発のスマートフォン端末「PandA」を販売し、通話基本料とパケット通信代および端末「PandA」の料金を合わせた月額2000円(税抜き)からの戦略的モバイルサービス「freebit mobile(フリービットモバイル)」を13年11月に開始した。O2O戦略として販売店「ATELIER」の全国展開を開始し、6月15日には「PandA」のテレビショッピングでのテスト販売も実施している。
6月13日に発表した前期(14年4月期)連結業績は売上高が前々期比横ばいの206億65百万円、営業利益が同41.1%増の13億20百万円、経常利益が同2.5倍の12億19百万円、純利益が2億35百万円の黒字(前々期は1億85百万円の赤字)だった。BIのEC事業撤退などの影響を除くと、モバイル・クラウドサービス関連の好調などで実質的に同4.6%増収となり、営業損益が大幅に改善した。配当予想(6月13日公表)は前々期と同額の年間7円(期末一括)とした。
前回予想(13年9月12日に純利益を減額修正)に対して、売上高は6億65百万円、営業利益は1億20百万円、経常利益は2億19百万円、純利益は1億35百万円それぞれ超過達成となった。フリービットモバイルの売上高は4.5ヶ月分が寄与した。
モバイル通信分野での新規ユーザー獲得、クラウドサービスの拡大、B2C分野(フリービットモバイルおよびDTI)やアドテクノロジー分野(フルスピード)の事業拡大などが牽引し、BIのEC事業撤退などの減収影響、ブロードバンドインフラ事業の基幹網再構築、フリービットモバイルや販売店「ATELIER」の立ち上げ費用などを吸収した。不採算事業撤退による収益改善、持分法投資損失の減少なども寄与した。
セグメント別営業利益(全社費用等調整前)を見ると、ブロードバンドインフラ事業は基幹網再構築の先行費用が影響して同13.6%減の8億11百万円、クラウドコンピューティングインフラ事業はBIの事業再構築が影響して74百万円の赤字(前々期は39百万円の赤字)、アドテクノロジーインフラ事業はフルスピードの構造改革終了などが寄与して同31.5%増の5億66百万円、次世代インターネット・ユビキタスインフラ事業は不採算の家電販売を縮小して2億30百万円の赤字(同2億96百万円の赤字)、B2C事業はフリービットモバイルの開始やDTIの戦略的サービス投入などが寄与して同41.3%増の8億45百万円だった。
今期(15年4月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比11.3%増の230億円、営業利益が同13.6%増の15億円、経常利益が同10.7%増の13億50百万円、純利益が同2.5倍の6億円で、配当予想は未定としている。モバイル事業の拡大や固定網の次期展開に向けた戦略的投資が拡大するが、モバイル・クラウドサービス関連の好調、B2C分野の拡大などで吸収して増収増益見込みだ。純利益は特別損失一巡も寄与する。
中期経営計画「SiLK VISION 2016」では、目標値として最終年度の16年4月期の売上高260億円、営業利益26億円を掲げ、MCI戦略のもとで、成長が予想される3領域「モバイル革命」「生活革命」「生産革命」へのサービス投入を推進している。収益は拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、4月14日直近安値980円から急反発して強基調に転換した。4月23日1818円から一旦反落したが、5月15日1336円から再動意の形となり、6月3日に2048円、6月12日に2155円まで上伸して戻り高値更新の展開が続いている。目先的な過熱感などで6月17日には1777円まで調整したが、6月18日には1900円まで急反発する場面があった。格安スマートフォン関連が材料視され、今期増収増益見通しも評価する動きだろう。
6月18日の終値1837円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円70銭で算出)は60倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS309円15銭で算出)は6倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して動意のタイミングだ。急騰して付けた13年12月高値2828円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
インターネットインフラ提供事業のフリービット<3843>(東マ)の株価は戻り高値更新の展開だ。目先的な過熱感などで6月12日2155円から6月17日1777円まで一旦反落したが、6月18日には1900円まで急反発する場面があった。
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2014-06-19 09:00