クリーク・アンド・リバー社は安値圏モミ合い上放れて強基調に転換
エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)の株価は、5月21日安値348円から反発し、安値圏モミ合いから上放れて出直りの動きを鮮明にしている。下値固めが完了して強基調への転換を確認した形だ。今期(15年2月期)大幅増益見通しを評価して高値圏回帰を目指す展開だろう。なお7月3日に第1四半期(3月~5月)の業績発表を予定している。期待感が高まる可能性もありそうだ。
日本のクリエイティブ分野(映像・テレビ番組・ゲーム・Web・広告などの制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業・ライツマネジメント(著作権管理)事業・制作請負事業を主力として、韓国のクリエイティブ分野、そして医療・IT・法曹・会計などの分野にもエージェンシー事業を展開している。
日本のクリエイティブ分野では、13年8月公開のテレビ朝日開局55周年記念劇場公開映画「少年H」(モスクワ映画祭特別賞受賞)の制作を担当し、番組制作請負事業が拡大している。13年度(13年4月~14年3月)には地上波テレビ放送で200以上の番組制作に携わった。
新規分野として電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業にも進出している。13年12月にはアパレル業界に特化した人材派遣会社インター・ベルを連結子会社化し、ファッションクリエイター・エージェンシー事業の成長を加速させている。
今期(15年2月期)の連結業績見通し(4月3日公表)は売上高が前期比11.6%増の230億円、営業利益が同23.6%増の13億50百万円、経常利益が同23.6%増の13億50百万円、純利益が同32.4%増の6億50百万円で、配当予想は同1円増配の年間6円(期末一括)としている。クリエイティブ分野(日本)の好調が全体を牽引し、新規事業分野での費用先行などを吸収して大幅増収増益見込みだ。
セグメント別売上高(内部取引等消去前)の計画は、クリエイティブ分野(日本)が同9.6%増の145億円、クリエイティブ分野(韓国)が同7.3%増の32億円、医療分野が同4.3%増の26億50百万円、IT・法曹・会計・他が同42.6%増の27億円としている。
クリエイティブ分野(日本)は高付加価値のテレビ番組制作請負が増加基調であり、自社開発ソーシャルゲームの新タイトル投入も寄与する。クリエイティブ分野(韓国)は派遣以外の取引拡大で収益が改善する計画だ。医療分野は決算期変更の影響が一巡して営業基盤強化も寄与する。IT・法曹・会計分野ではIT関連の事業再構築の効果が寄与する。
費用が先行している電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業といった新規分野も順次収益化する。
中期成長戦略では既存事業で年率10~15%の成長を見込み、新たにスタート予定のクラウド関連を含めた新規分野の積み上げ・収益化で、18年2月期に売上高300億円、営業利益30億円をイメージしている。中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、4月中旬以降は安値圏350円~360円近辺でモミ合う展開だったが、5月21日安値348円から反発し、安値圏モミ合いから上放れて出直りの動きを鮮明にしている。6月16日には430円まで上値を伸ばす場面があった。
6月18日の終値416円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円19銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS185円70銭で算出)は2.2倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。下値固めが完了して強基調への転換を確認した形だ。今期大幅増益見通しを評価して高値圏回帰を目指す展開だろう。52週移動平均線を突破すれば上げ足に弾みがつき、1月高値505円が当面のターゲット水準となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社の株価は、5月21日安値348円から反発し、安値圏モミ合いから上放れて出直りの動きを鮮明にしている。
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2014-06-19 09:00