インテージHD5月安値から切り返して強基調へ、1月高値試す

  市場調査最大手のインテージホールディングス <4326> の株価は、5月19日安値の1152円から切り返して出直りの動きが本格化している。6月18日には1342円まで上値を伸ばした。今期(15年3月期)業績見通しは事業譲渡に伴って資産査定が必要なため未定としているが、主力事業が牽引して好業績が期待される。強基調への転換を確認した形であり、1月高値1413円を試す展開だろう。   13年10月に持株会社へ移行し、小売店パネル調査や消費者パネル調査などの市場調査・コンサルティング事業を主力として、システムソリューション事業などにも事業領域を広げている。   M&Aを積極活用して業容を拡大させている。11年9月にベトナムの市場調査会社FTA、12年9月に医療情報総合研究所、12年11月に医療関連インターネット調査会社プラメド、13年8月に香港の市場調査会社CSG香港を子会社化した。さらに14年5月には、子会社INTAGE INDIAがインドの市場調査会社RSMRS社の株式56.0%を取得してグループ化した。   アライアンス戦略では、12年4月にNTTドコモ <9437> と合弁会社ドコモ・インサイトマーケティングを設立、13年10月に韓国の業界4位の市場調査会社Hankook Researchと包括的な事業協力を締結、13年11月にインドネシアの市場調査会社DEKA社と合弁会社を設立している。   さらに一段の収益力強化に向けてグループ再編も進めている。14年4月には、IT基盤強化に向けてインテージのIT関連部門とインテージ長野を統合してインテージテクノスフィアを発足させた。14年6月には、連結子会社アスクレップの臨床開発事業を承継したエーケーピーを伊藤忠商事 <8001> に譲渡する。経営リソースの選択と集中を進めて事業を再編し、アスクレップは医薬情報事業を継続する方針だ。   14年5月に発表した第11次中期経営計画では、重点課題として、主力事業の再強化による市場価値向上、モバイル&シングルソース・グローバル・ヘルスケア領域の着実な成長、リサーチの枠にとらわれない新たなビジネスモデルの模索と確立、最適化の視点による戦略立案・推進のマネジメント強化を掲げている。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは未定としている。連結子会社アスクレップの臨床開発事業を売却するため特別利益計上が見込まれるが、譲渡完了まで譲渡資産の精査が必要であり、現時点で業績への影響額は未定としている。ただし主力の市場調査・コンサルティング事業が好調に推移し、経営リソースの選択と集中の効果なども寄与して好業績が期待されるだろう。配当予想は前期比2円50銭増配の年間30円(期末一括)とした。   株価の動きを見ると、4月以降は地合い悪化が影響して調整局面だったが、5月19日の安値1152円から反発して出直りの動きが本格化している。6月18日には1342円まで上値を伸ばした。今期好業績を期待する動きだろう。   6月18日の終値1335円を指標面で見ると、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS846円49銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。強基調への転換を確認した形であり、1月高値1413円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
市場調査最大手のインテージホールディングス<4326>(東1)の株価は、5月19日安値の1152円から切り返して出直りの動きが本格化している。
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2014-06-19 09:15