【為替本日の注目点】FOMC受けドル全面安、日経上昇にはさらなる資金流入不可欠
NY市場
FOMCの結果を受け、ドル円は102円38銭まで上昇したものの、緩和的な政策は続くとの見方からドルは下落。長期金利の低下もあり、101円88銭まで売られ、101円90-95銭で引ける。
ユーロドルもドル安の流れを受け反発。1.36ちょうどまでユーロ高が進んだが、1.36台維持には失敗。
株式市場は揃って続伸。FOMCでは景気が回復しているとの認識を示しながら、低金利は相当な期間維持されることからダウは98ドル高と、1万6900ドル台を回復。S&P500は15ポイント高で最高値を更新。
債券相場は急反発。FOMCでは成長率予測を引き下げ、低金利が継続されるとの見方から債券への需要が高まる。長期金利は2.59%台まで低下し、ドル安を誘引。
金は反発し、原油は続落。
ドル/円 101.88~ 102.38
ユーロ/ドル 1.3548 ~ 1.3600
ユーロ/円 138.29 ~ 138.76
NYダウ +98.13 → 16,906.62ドル
GOLD +0.70 → 1,272.70ドル
WTI -0.39 → 105.97ドル
米10年国債 -0.063 → 2.590%
本日の注目イベント
英 英5月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
米 5月景気先行指標総合指数
米 6月フィラデルフィア連銀景況指数
注目のFOMCでは、予想通り債券購入額を100億ドル減額し、毎月350億ドルにすることを決定。声明文では、経済活動はここ数ヶ月で持ち直してきたことを示しながらも、緩和的な政策が引き続き適切との認識を示しました。前日には、消費者物価指数が市場予想を大きく上回る上昇を示したことから、一部には利上げのタイミングが前倒しになることを伺わせる発言があるのではないかとの見方もありましたが、結果的には中立だったと受け止めています。
政策発表後の記者会見でイエレン議長は、利上げのタイミングについて「経済データが強めの内容を示せば時期が早まることになるが、反対に弱めの内容を示せば遅れることもあり得る」と発言し、これまで通り経済データを総合的に分析して判断するとの考えを改めて示しました。また、同時に議長はFRBのバランスシートについて「極めて大きなバランスシートをしばらくの間持ち続けるだろう」と述べています。
FOMCの声明文と、それに続くイエレン議長の記者会見を受けて、緩和的な金融政策が継続されるとの基本的な考えから、株価は4日続伸し、債券相場も上昇し、長期金利が急低下しました。その結果、ドル円ではドル安円高が進み、ユーロも対ドルでは1.3600までユーロ高が進行しています。
ドル円は昨日日経平均株価が上昇したことで、102円31銭までドル高、円安が進み、短期的な「1時間足」では、上値の抵抗線をブレイクしました。昨日もこの欄で述べましたが、それでも102円台半ばを上抜けするのは簡単ではないと予想しました。それは、102円30-60銭の間には、「4時間足」や「8時間足」、さらには「日足」にも重要な移動平均線が集まっており、それらを全てブレイクするには「材料不足」と予想したからです。
ドル円は結局101円台後半まで押し戻された格好になっています。米長期金利はなかなか2.6%台を維持できません。ただ5月に見られたように、急低下するような状況とも見られません。今月には101ー103円のレンジを抜けるのではないかと「予想」と「期待」をしていましたが、残念ながらまだその気配はありません。
引き続き株価の行方と長期金利の動向がドル円に大きな影響を与える構図は変わりませんが、日経平均株価が昨日の取引で1万5100円台を回復したことは好材料です。GPIFの運用方針見直しなどの期待感から上昇傾向を見せ始めてきましたが、今後予想以上の上昇を見せればドル円を押し上げることも考えられます。ただ現状では売買代金の増加が見られていません。一段の上昇には内外を問わず、さらなる資金流入が不可欠です。本日のレンジは101円50銭~102円30銭程度と、再び先週後半のレンジに戻った感もあります。
都合により明日(20日)と、来週月曜日(23日)の「アナリストレポート」はお休みとさせていただきます。ご愛読の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
FOMCの結果を受け、ドル円は102円38銭まで上昇したものの、緩和的な政策は続くとの見方からドルは下落。長期金利の低下もあり、101円88銭まで売られ、101円90-95銭で引ける。
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2014-06-19 09:15