建設技術研究所は短期調整一巡して出直り本格化
建設コンサルタント大手の建設技術研究所 <9621> の株価は、1000円~1100円近辺での短期調整が一巡して出直りの動きが本格化している。6月19日には1151円まで上値を伸ばした。中期的に事業環境は良好であり、収益拡大基調を評価する流れに変化はなく3月高値1233円を試す展開だろう。
総合建設コンサルタントの大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI・PPP事業、さらに鉄道や物流などの分野への取り組みも強化している。
13年9月には農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて子会社CTIフロンティアを立ち上げた。14年4月には太陽光発電事業に着手した。釜石市が公募した「釜石市復興公営住宅屋根貸しによる太陽光発電事業」の事業者として選定され、15年3月から発電開始予定としている。
今期(14年12月期)の連結業績見通し(2月14日公表)は、売上高が前期比11.2%増の405億円、営業利益が同18.5%増の18億円、経常利益が同15.9%増の19億円、純利益が同12.0%増の11億円で、配当予想は前期と同額の年間18円(期末一括)としている。震災復興関連が設計段階から施工段階に移行するため、受注高は同8.3%減の395億円の計画だが、高水準の受注残高と業務効率化で増収増益見込みだ。
第1四半期(1月~3月)の売上高は前年同期比53.4%増の大幅増収となり、営業利益は同11億42百万円増加、経常利益は同11億30百万円増加、純利益は同6億44百万円増加して、各利益とも黒字化した。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が24.7%、営業利益が56.8%、経常利益が54.8%、純利益が53.4%と高水準である。通期の会社見通しは保守的な印象が強く、通期業績の上振れ余地があるだろう。
防災・減災関連、老朽化インフラ補修・更新関連、都市再開発関連、そして20年東京夏季五輪関連など建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、中期的にも事業環境は良好で収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、3月31日高値1233円から反落後は概ね1000円~1100円近辺でモミ合う展開だったが、5月20日の直近安値995円から切り返しの展開となり、6月19日には1151円まで上値を伸ばして出直りの動きが本格化している。今期増収増益見通しを評価する動きだろう。
6月19日の終値1148円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS77円79銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1504円86銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると、一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復した。強基調に回帰した形だろう。収益拡大基調を評価する流れに変化はなく3月高値1233円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は、1000円~1100円近辺での短期調整が一巡して出直りの動きが本格化している。
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2014-06-20 09:15