日本マニュファクチャリングは収益改善を評価して出直りの動きに弾み

  製造請負大手の日本マニュファクチャリングサービス <2162> (JQS)の株価は、急騰した4月戻り高値515円から反落して概ね350円~400円近辺でモミ合う展開だったが、5月21日直近安値328円から切り返して出直りの動きを強めている。収益改善見通しを評価する動きだろう。下値を切り上げて強基調への転換を確認した形であり、4月14日の戻り高値515円を突破すれば出直りの動きに弾みがつきそうだ。   製造請負・派遣のIS(インラインソリューション)事業、修理・検査受託のCS(カスタマーサービス)事業、技術者派遣のGE(グローバルエンジニアリング)事業、子会社の志摩グループとTKRグループが展開する開発・製造受託のEMS(エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービス)事業を展開している。   事業戦略コンセプトとして「neo EMS」を掲げて、開発・設計といった製造業の上流プロセス分野を強化するとともに、単なる製造アウトソーサーから、キーテクノロジーを有して技術競争力も備えた企業グループへの変革を進める方針を打ち出している。   13年10月にTKRが日立メディアエレクトロニクスの電源事業、トランス事業、車載チューナー事業、映像ボード事業を譲り受け、水沢工場(岩手県奥州市)を取得した。さらに14年3月には、パナソニック <6752> の車載向け除く電源および関連部品事業(高圧電源、低圧電源、マグネットロール、トランス等で売上高140億円規模)を譲り受ける基本合意書を締結した。6月26日に最終契約を締結予定で、10月1日付で事業を譲り受ける予定としている。技術ノウハウを蓄積し、LED照明、空気清浄器、エアコン、複写機向けなどに、電源関連事業を当社グループのキーテクノロジー分野として、EMS事業の高付加価値化を推進する戦略だ。  今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)は、売上高が前期比16.5%増の488億円、営業利益が4億90百万円(前期は6億43百万円の赤字)、経常利益が5億10百万円(同1億75百万円の赤字)の黒字化見込みで、純利益は負ののれん発生益一巡で同50.7%減の3億20百万円、そして配当予想は前期と同額の年間3円(期末一括)としている。  人材ビジネス事業は、国内ISでは採用強化、海外ISではメーカーからの人材転籍などで在籍数が増加して増収増益見込みだ。EMS事業は、前期営業損益悪化の主因となった中国における日系メーカーの生産減少や人件費上昇といった一過性要因が解消し、日立メディアエレクトロニクスから譲り受けた案件の本格稼働、および海外増産も寄与して営業損益が大幅に改善する。  製造アウトソーシング企業NO.1を目指すグループ戦略に大きな変更はないが、収益改善に向けた事業構造改革として、志摩グループの深?工場における人員調整や不採算事業からの撤退、TKRグループの国内拠点再構築、志摩グループおよびTKRグループの中国拠点戦略再構築、さらに中国におけるビジネスモデルの見直し(人材サービスの強化など)を推進する。事業構造改革の効果、日立メディアエレクトロニクスとパナソニックから譲り受けた電源および関連部品事業が寄与して、収益改善基調だろう。  株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、4月急騰の戻り高値515円から反落して概ね350円~400円近辺でモミ合う展開だったが、5月21日の直近安値328円から切り返して出直りの動きを強めている。6月18日には466円まで戻す場面があった。調整が一巡して収益改善見通しを評価する動きだろう。  6月23日の終値419円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円30銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS451円79銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。下値を切り上げて強基調への転換を確認した形であり、4月14日の戻り高値515円を突破すれば出直りの動きに弾みがつきそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医薬品・医薬品原料商社のイワキ<8095>(東1)の株価はやや上値が重く小動きだが、2月以降は着実に下値を切り上げている。
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2014-06-24 09:15