イワキは下値切り上げてフシ突破試す
医薬品・医薬品原料商社のイワキ <8095> の株価はやや上値が重く小動きだが、2月以降は着実に下値を切り上げている。さらに足元では上値フシの205円近辺に接近して、上放れを試す動きのようだ。ジェネリック医薬品市場の拡大も追い風として今期(14年11月期)業績見通しに上振れ余地があり、指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。フシを突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。
1914年創業の医薬品商社で、医薬品事業(医療用・一般用・動物用医薬品の製造・販売、調剤薬局経営)、医薬品原料・香粧品原料事業(医薬品・香粧品原料の製造・販売、化粧品OEM製造)、化成品事業(電子工業用薬品・表面処理用薬品・化成品の製造・販売)、食品原料・機能性食品事業(食品原料の製造・販売、サプリメントOEM製造)、その他事業(医療機器の販売、化粧品の製造・販売)を展開している。
全国の医薬品卸・医療機関・ドラッグストアなどに医薬品や機能性食品などを供給する卸売機能、国内外のメーカーなどを開拓して輸出入する商社機能、そしてグループ内に岩城製薬(ジェネリック医薬品・医薬品原料、医療機関向け化粧品の製造)やメルテックス(表面処理薬品などの製造)というメーカー機能を併せ持つことが強みであり、卸売・商社・メーカー機能の連携を強化している。
今期(14年11月期)の連結業績見通しは、前回予想(1月14日公表)を据え置いて売上高が前期比1.0%増の530億円、営業利益が同0.8%減の10億円、経常利益が同4.7%減の11億円、純利益が同13.9%減の6億50百万円で、配当予想は前期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。
14年4月の薬価改定の影響などで営業利益横ばい見通しとしているが、医薬品事業では、ジェネリック医薬品や自社企画PB商品が好調に推移して、数量増効果が期待される。前期低調だった化成品事業も、プリント配線板や車載部品向けの薬品が好調に推移して、営業損益の改善が期待される。第1四半期(12月~2月)は前年同期比5.3%増収、同7.2倍営業増益、同2.0倍経常増益、同2.8倍最終増益と好調だった。通期会社見通しはやや保守的で上振れ余地があるだろう。
事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業の収益改善、ドラッグストア向けPB商品など自社企画商品の開発・提案強化、医薬品原料事業のシェア拡大、海外サプライヤーとの連携強化、岩城製薬の安定供給体制確保に向けた能力増強と製造コスト低減、メルテックスの海外展開強化などを推進している。ジェネリック医薬品・原料関連の市場は拡大基調であり、中期的に収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると、やや上値が重く小動きだが、一方で2月以降は2月安値175円、3月安値187円、4月安値192円、5月安値195円と着実に下値を切り上げている。さらに足元では上値フシの205円近辺に接近している。上放れを試す動きのようだ。
6月23日の終値202円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円24銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS499円78銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げ、足元では26週移動平均線を突破してきた。強基調に転換した形であり、指標面の割安感も支援材料として出直り展開だろう。205円近辺のフシを突破すれば上げ足を速めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医薬品・医薬品原料商社のイワキ<8095>(東1)の株価はやや上値が重く小動きだが、2月以降は着実に下値を切り上げている。
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2014-06-24 09:15