インテリジェントウェイブは急反発して一気にボックス上放れ

  システム開発のインテリジェントウェイブ <4847> (JQS)の株価は安値圏240円~280円近辺でのボックス展開だったが、5月21日の安値239円から急反発の展開となった。6月11日には324円まで上伸する場面があり、足元も300円~310円近辺で堅調に推移してボックスレンジを一気に上放れた。強基調に転換した形であり、収益改善基調を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。   大日本印刷 <7912> の連結子会社で、金融機関向けカードビジネスのフロント業務、システムソリューション業務、セキュリティシステム業務、その他業務(パッケージ製品販売などの新規事業分野)を展開している。クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・保守サービスが収益柱だ。   中期的には、マイナンバー制度導入に伴う開発案件などの受注増加が期待され、カードビジネスのフロント業務関連から精算システムなどの基幹業務関連への事業領域拡大、ビッグデータ関連への参入などを目指している。14年2月にはジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携した。   新規事業では、自社開発コミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化している。口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が簡単な質問に自動応答するシステムで、企業のウェブサイトの満足度を高めるツールとして、すでに全日本空輸のウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。親会社の大日本印刷との営業連携強化で受注拡大を目指し、来期(15年6月期)の収益寄与本格化を計画している。   今期(14年6月期)連結業績見通し(4月23日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前期比10.7%増の65億円、営業利益が1億70百万円の黒字(前期は6億77百万円の赤字)、経常利益が1億90百万円の黒字(同5億87百万円の赤字)、純利益が90百万円の黒字(同3億49百万円の赤字)としている。配当予想は14年1月1日付株式100分割を考慮すると実質的に前期と同額の年間5円(期末一括)としている。   セキリュティシステム業務とその他業務の売上高が期初計画を下回る見込みとなり、通期利益見通しを減額修正したが、第3四半期累計(10月~3月)の営業利益は52百万円の黒字で、前年同期の7億49百万円の赤字から大幅に改善している。通期黒字化見通しで収益改善基調に変化はないだろう。   クレジットカード業界ではシステム更新、ハードウェア置き換え、ブランドプリペイドカードやモバイル端末決済など新たな決済サービス提供に向けた投資が高水準であり、売上高に関してはクレジット会社向けシステム開発受託、システム保守およびハードウェア販売が好調だ。カードビジネスのフロント業務の通期売上高の計画は、前回予想の32億10百万円から今回予想の40億50百万円に増額した。   カードビジネスのフロント業務における不採算開発プロジェクト発生による外注費増加がほぼ収束し、営業損益改善基調に変化はないようだ。クレジットカード・金融業界のシステム更新需要は高水準であり、来期(15年6月期)は一段の収益改善が期待されるだろう。   株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、全般地合い悪化も影響して2月以降は安値圏240円~280円近辺でのボックス展開だったが、5月21日の安値239円から急反発の展開となった。2月安値239円に面合わせとなって下値を確認したようだ。そして6月11日には324円まで上伸する場面があり、足元も300円~310円近辺で堅調に推移してボックスレンジを一気に上放れた。収益改善基調を評価する動きだろう。   6月23日の終値305円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円42銭で算出)は89倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS168円83銭で算出)は1.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸した。ボックスレンジから上放れて強基調に転換した形であり、収益改善基調を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム開発のインテリジェントウェイブ<4847>(JQS)の株価は安値圏240円~280円近辺でのボックス展開だったが、5月21日の安値239円から急反発の展開となった。
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2014-06-24 09:15