DNAチップは5月安値で底打ち反転、中期成長力を評価

  バイオベンチャーのDNAチップ研究所 <2397> (東マ)の株価は、5月安値で底打ち反転の動きだ。5月19日の年初来安値680円から切り返しの展開となり、6月16日には927円まで戻す場面があった。足元は戻り一服だが強基調に転換した形であり、中期成長力を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。   将来の個人化医療や未病社会の実現を見据えた遺伝子発現プロファイル収集・統計受託解析など、DNAチップ(DNAマイクロアレイ)技術の事業化を目指す研究開発企業である。現在は研究受託事業(大学病院・研究機関や製薬・食品メーカー向けDNAチップ関連の受託実験・解析・統計処理サービスなど)を主力として、商品販売事業も展開している。   時々刻々と変化する体調変化や加齢とともに起こる免疫変化などを遺伝子検査するRNAチェック(血液細胞遺伝子発現マーカー検査)に強みを持ち、中期成長に向けて次世代シークエンス受託解析サービスなど研究受託のメニューを充実させるとともに、RNAチェックによる遺伝子解析検査サービス、独自開発パッケージソフトウェアによる診断支援サービス、健康モニタリングサービスなどの診断関連事業を収益柱に育成する方針だ。   戦略商品としては、臨床研究用データベース「iCIS」構築による診断支援サービス、高校・大学生が分子生物学を学習できる教育用DNAチップ教材「ハイブリ先生」、関節リウマチのスムーズな診察をサポートする問診パッケージソフト「iRIS」、関節リウマチ生物学的製剤インフリキシマブの投与14週後の治療効果を予測する診断支援サービス「リウマチェック」、乳癌の再発リスクを予測する乳癌予後予測キット「MammaPrint」(導入商品)などの拡販を強化している。   戦略商品に関しては大病院での人間ドックへの採用を働きかけ、中長期的には一般健康診断への採用拡大も目指す方針だ。さらに大腸がん・悪性神経膠腫の術後予後予測、免疫年齢・肥満・うつ病・疲労・アルツハイマーなどの診断関連マーカーの開発・事業化、医薬品開発と一体化した診断マーカー開発(コンパニオン診断薬開発支援)、再生医療支援事業(培養細胞の安全性評価系)なども強化して業容を拡大する。   14年3月には「神経膠腫予後予測方法、およびそれに用いるキット」に関する国内特許を取得した。悪性神経膠腫患者の切除がんから取得したRNAを用いて、悪性神経膠腫患者の術後の予後を予測(補助療法感受性予測)する方法、および測定キットに関する国内特許である。診断事業分野のメニュー拡充の一環としてサービス提供の事業化を進める。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(4月24日公表)は売上高が前期比26.1%増の4億40百万円、営業利益が2百万円(前期は44百万円の赤字)、経常利益が2百万円(同44百万円の赤字)、純利益が1百万円(同45百万円の赤字)としている。   研究受託事業でマイクロアレイ受託解析サービス、次世代シークエンス受託解析サービス、診断支援および関連ビジネスの拡大に注力し、増収効果で営業黒字化を目指すとしている。受託解析や診断事業の売上構成比上昇、採算性の高いメニューの重点化、さらに作業効率の改善などで粗利益率の改善が期待される。   業績改善推進プランとして「研究開発から事業化への加速」を掲げ、提案型研究受託メニューの強化(マイクロアレイ解析と新規受託サービスの推進)、診断関連事業の拡充(リウマチ多剤効果判定、臨床研究用データベース「iCIS」、診断マーカー、RNAチェックなど)、販売促進のためのアライアンス強化、そして海外展開(米国の大学との共同研究)を推進する方針だ。   株価の動き(13年10月1日付けで株式100分割)を見ると、軟調展開が続いて水準を切り下げたが、5月19日の年初来安値680円から切り返しの展開となり、6月16日には927円まで戻す場面があった。5月安値で底打ち反転した形だろう。   6月23日の終値は840円だった。目先的な過熱感を強めたこともあって足元は戻り一服の形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線、そして週足チャートで見ると13週移動平均線を突破している。それぞれが上向きに転じてサポートラインとなりそうだ。5月安値で底打ちして強基調に転換した形であり、出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオベンチャーのDNAチップ研究所<2397>(東マ)の株価は、5月安値で底打ち反転の動きだ。5月19日の年初来安値680円から切り返しの展開となり、6月16日には927円まで戻す場面があった。
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2014-06-24 09:15