【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アールテック・ウエノは5月安値で底打ちして強基調に転換

  創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ <4573> (JQS)の株価は、5月21日の年初来安値945円から切り返しの展開となり、6月16日には1298円まで上伸する場面があった。足元も1200円近辺で推移して出直りの動きを強めている。5月安値で底打ちして強基調に転換した形であり、中期成長力を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。   緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬AMITIZA(アミティーザ)カプセル受託製造を主力としている。米スキャンポ社は、AMITIZAカプセルの日本と欧州での販売承認取得や米国での追加新薬承認取得、さらにレスキュラ点眼薬の米国上市など販売地域や適応の拡大戦略を推進している。   新薬開発は網膜色素変性、ドライアイ、アトピー性皮膚炎関連を中心に進めている。日本発・世界初の網膜色素変性治療薬を目指す点眼液オキュセバ(開発コードUF-021)は第3相臨床試験を開始し、加齢黄斑変性治療薬開発についてのパイプラインの検討も開始した。   日本発・世界初の生物製剤によるドライアイ治療薬を目指す遺伝子組み換え人血清アルブミン(RU-101)点眼液は、米国で第1相および第2相を合わせた臨床試験を開始している。皮膚疾患領域では男性型脱毛症関連(RK-023)が第2相臨床試験を開始し、中期テーマとしてアトピー性皮膚炎治療薬(RTU-1096)などの開発も進めている。   今期(15年3月期)業績(非連結)見通し(5月14日公表)は売上高が前期比2.6%増の57億63百万円、営業利益が同0.8%増の14億31百万円、経常利益が同2.9%減の14億34百万円、純利益が同5.5%減の10億03百万円で、配当予想は前期と同額の年間25円(期末一括)としている。研究開発費増加などで営業利益は微増にとどまるが、国内でのAMITIZAカプセルの好調が牽引して増収見込みだ。   レスキュラ点眼薬は、国内市場が納品数量減少や薬価改定(1.6%引き下げ)の影響で減収見込みとしている。北米市場では再上市に係るSAG社からの受注分の出荷が完了しているため、現時点では今期業績に織り込んでいないとしている。一方のAMITIZAカプセルは、北米市場では競合品の影響を受けて減収見込みとしているが、国内市場が引き続き好調に推移して増収見込みだ。   中期経営目標値としていた16年3月期ROE(自己資本利益率)10%以上を、前期(14年3月期)実績の12.3%で達成した。今期は10.6%に低下する見込みだが、引き続き10%以上を目指すとしている。中期的に収益拡大基調で、一段の高収益化も期待されるだろう。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して水準切り下げの軟調展開が続いたが、5月21日の年初来安値945円から切り返しの展開となり、6月16日には1298円まで上伸する場面があった。5月安値で底打ちし、足元も1200円近辺で推移して出直りの動きを強めている。   6月23日の終値1199円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS52円01銭で算出)は23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績のBPS473円61銭で算出)は2.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ても13週移動平均線を突破し、続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。5月安値で底打ちして強基調に転換した形であり、中期成長力を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)の株価は、5月21日の年初来安値945円から切り返しの展開となり、6月16日には1298円まで上伸する場面があった。
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2014-06-24 09:15