【為替本日の注目点】ドル小動き市場は既に6月雇用統計に期待、ECB次の一手注目

 NY市場  ドル円は101円台後半でもみ合うも小動き。住宅関連指標が市場予想を上回ったものの、為替への影響はなく、101円90-95銭で引ける。  ユーロドルは堅調に推移。1.35台後半から1.36台に乗せたが、ドイツのPMIが軟調だったこともあり、1.36台では上値を押さえられる。  株式市場はまちまち。GEなど工業株が安かったことでダウは9ドル安。一方ナスダック指数は小幅に上昇。  債券相場は反落。中古住宅販売件数が約3年ぶりの大幅な伸びを見せたことで、10年債には売り圧力となった。長期金利は2.626%台まで上昇。  金は4日続伸で1318ドル台まで上昇。原油は反落し106ドル台に。  5月中古住宅販売件数 → 489万件   ドル/円 101.83~ 101.96  ユーロ/ドル 1.3581 ~ 1.3605  ユーロ/円 138.40 ~ 138.67  NYダウ -9.82 → 16,937.26ドル  GOLD +1.80 → 1,318.40ドル  WTI -1.09  → 106.17ドル  米10年国債 +0.026  → 2.626%  本日の注目イベント  独   独6月IFO景況指数    米   4月ケースシラー住宅価格指数   米   5月新築住宅販売件数     米   6月消費者信頼感指数   米   6月リッチモンド連銀製造業指数     ドル円は102円台を維持できずに下落したものの、現在101円63銭前後にある「200日線」を割り込むには至らず、依然としてもみ合いが続きレンジ相場を抜き切れない状況が続いています。中国のPMIが節目の「50」を上回ったことも、相場への影響は限定的でした。  6月も残すところあと僅かですが、今の所相場がどちらかに大きく動き出す気配はありません。ここ半年の値幅は概ね101-103円台で推移し、今年の高値と安値をとっても5円以内の値幅です。個人的にはいつ動き出してもおかしくはないと思っていますが、動き出す材料がなかなか見つかりません。今週後半には米国のGDP確定値や、PCEコアデフレーターなど重要指標が発表されますが、市場は既に来週の「6月の雇用統計」の結果に期待している向きもあるようです。  昨日は中古住宅販売件数が発表され、前月比4.9%増の489万戸でした。増加率は2011年8月以来最大で、懸念されていた住宅市場も底堅い動きを見せています。これは住宅ローン金利が低水準で安定している上に、株価の上昇が資産効果をもたらし、値ごろ感から住宅購入を決断する人が増えているものと思われます。住宅の購入は、関連してその他の消費財の購入にもつながり、米住宅市場が順調に伸びていけば、個人消費や小売売上高の上昇につながりそうです。  137円台まで下落したものの、その後順調に値を戻してきたユーロ円は138円台後半で一旦上昇を押さえられた格好になっています。テクニカル的には139円台を回復すれば、もう一段反発する余地もありそうですが、138円90銭前後にある「200日線」(日足)を上抜けできるかどうかがポイントになりそうです。  もっとも、そのためにはユーロドルが1.3615レベルを明確に上抜けする必要があります。昨日もユーロドルは1.36台に乗せると上昇を抑えられる動きが何度も確認されています。ECBの包括的な緩和策を考えれば、上値が重いことは理解できますが、1.35台をしっかり維持できているのも事実です。ドラギ総裁は「まだ終わりではない」と、さらなる緩和策を示唆していましたが、ECBの「次の一手」が非常に注目されます。  本日も大きな値動きは期待できそうもありません。米長期金利が2.6%で安定する気配を見せていることや、株式市場も高値警戒感があるものの堅調です。また日本の株式市場も「NISA」効果から、個人投資家が徐々に株式市場に向かっているようです。基本的には「リスクオン」がベースになっていると考えられます。本日のレンジは101円50銭~102円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は101円台後半でもみ合うも小動き。住宅関連指標が市場予想を上回ったものの、為替への影響はなく、101円90-95銭で引ける。
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2014-06-24 09:45