クリナップは5月安値で下値確認して調整一巡

  システムキッチン大手のクリナップ <7955> の株価は5月21日の直近安値801円から反発し、6月6日には909円まで戻した。その後は戻り一服の形だが大きく下押す動きは見られない。消費増税の反動影響懸念を織り込み、5月安値で下値を確認して調整が一巡したようだ。今期(15年3月期)減収減益の会社見通しに上振れ余地があり、指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。   厨房部門のシステムキッチンを主力として、浴槽・洗面部門のシステムバスルーム・洗面化粧台なども展開している。中期計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確固たる確立を掲げて、商品ラインナップ充実とブランド力強化、主力の「クリンレディ」を軸にした中高級システムキッチンの市場シェア上昇、全国102カ所のショールームへの集客強化と総合競争力強化、会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携強化、リフォーム需要の取り込み、トータルコストの低減、海外事業の戦略的推進などを重点施策としている。   今期(15年3月期)連結業績見通し(5月8日公表)は、売上高が前期比1.4%減の1270億円、営業利益が同24.5%減の67億円、経常利益が同24.4%減の64億円、純利益が同25.6%減の37億円で、配当予想は記念配当5円を落として年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。   消費増税前の駆け込み需要の反動減などを考慮して減収減益見通しとしている。ただし期初時点では保守的な見通しを公表する傾向も強いだけに、上振れ余地があるだろう。食住イベントやリフォームフェアの開催によるブランド力向上、ショールーム全面リニューアルによる集客強化、会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携などの販売強化施策が奏功して、システムキッチンの中級・普及クラスでの市場シェアは上昇基調だ。原価低減効果なども寄与して中期的に収益拡大が期待される。   5月8日に発表した公開買付による自己株式取得については、6月5日に終了した。買付価格817円、買付予定数550万株に対して、応募数500万株、買付数500万株となり、公開買付による自己株式取得500万株、取得価額総額40億85百万円だった。今回の公開買付による自己株式取得は当社第2位株主のタカヤス(当社創業家の資産管理会社)が保有する株式682万9360株のうち500万株を売却することに対応したもので、この結果タカヤスは主要株主に該当しないことになった。   株価の動きを見ると、3月31日の高値1045円から反落して調整局面となった。消費増税の反動影響が警戒されたようだ。ただし5月21日の直近安値801円から反発し、6月6日には909円まで戻した。その後は戻り一服の形だが、大きく下押す動きは見られない。消費増税の反動影響懸念を織り込み、5月安値で下値を確認して調整が一巡したようだ。   6月24日の終値886円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円41銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1301円25銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると、上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。また週足チャートで見ると、52週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形だ。指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システムキッチン大手のクリナップ<7955>(東1)の株価は5月21日の直近安値801円から反発し、6月6日には909円まで戻した。
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2014-06-25 09:00