【為替本日の注目点】米経済好調も地政学的リスクで円買いに、ドル円変動率最も低い
NY市場
ドル円は米住宅関連指標や消費者信頼感指数が上振れしたことで102円17銭まで買われたが、株価の大幅下落に反応し101円台後半まで押し戻されて引ける。
ユーロドルは1.36台を挟みもみ合う。ドイツifo景況感指数が予想を下回ったことで1.3625近辺から失速し、1.3595辺りまで売られる。
株価は大幅に続落。経済指標は好調だったものの、中東での緊張の高まりを嫌気して3指数とも下落。
債券は反発。中東情勢が悪化したことで安全資産の債券への需要が高まり、長期金利は2.57%台まで低下。
金は5日続伸。一方原油は3日続落。
4月ケースシラー住宅価格指数 → +10.82%
5月新築住宅販売件数 → 50.4万戸
6月消費者信頼感指数 → 85.2
6月リッチモンド連銀製造業指数 → 3
ドル/円 101.89~ 102.17
ユーロ/ドル 1.3583 ~ 1.3623
ユーロ/円 138.62 ~ 138.90
NYダウ -119.13 → 16,818.13ドル
GOLD +2.90 → 1,321.30ドル
WTI -0.14 → 106.03ドル
米10年国債 -0.049 → 2.577%
本日の注目イベント
米 5月耐久財受注
米 1-3月期GDP(確定値)
ドル円はNY市場で経済指標が好調だったことを受け、一時102円17銭まで上昇したものの、その後株価が下落し、長期金利が低下したことで102円を割り込み、結局元の「定位置」に戻った形になりました。経済指標のなかでも特に、消費者信頼感指数は「85.2」と、先月の「82.2」から大幅に上昇し、2008年1月以来の高水準でしたが、それでもドル円は102円台を維持できず、上値の重さを確認させられた格好です。
また、新築住宅販売件数も50万4000戸と、こちらも2008年5月以来の高水準で、前日の中古住宅販売件数も高水準だったこととあわせ、住宅市場が急回復していることを示す結果になっています。今後は個人消費の拡大にもつながりやすく、米経済にとっても下支えになると考えられます。
しかしそれでもドル円は株価の大幅下落や、長期金利の低下に反応し101円台後半まで押し戻されています。株価は午前中は堅調に推移していたものの、午後ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)がシリアの戦闘機がイラク西部を攻撃し、50人以上が死亡したと報じたことがきっかけとなり大幅な下げにつながりました。好調な経済指標も中東情勢の悪化に打ち消され、今後もイラク情勢とウクライナ問題は地政学的リスクとして、円買いに結びつきやすい状況が続きそうです。
利上げのタイミングが近づいていると見られるポンドが、対ドルで1.7025レベルから1.69台後半まで急落しました。BOEのカーニー総裁が下院財政委員会で「労働市場に想定していたよりも大きな余剰能力があることを賃金動向が示唆している」と証言し、利上げ開始の正確なタイミングは「このデータに左右される」と述べたことがきっかけでした。
同総裁は今月12日の講演で、利上げは「市場が予想している時期より早いかもしれない」と述べ、ポンド高につながった経緯がありましたが、昨日の証言では、利上げはあくまでも経済データ次第であることを強調しました。この結果、ポンド円も173円台半ばから173円割れまで下落しています。
方向感が出ず、動きも非常に鈍くなっているドル円ですが、ブルームバーグは、ドル円の3ヶ月ボラティリティー(変動率)は昨日一時5.715%まで低下し、これは同社がデータを取り始めた1995年12月以来最も低いと伝えています。同指数は現在でも5.78%で推移しており、市場の多くの専門家がドル円は動かないと予想していることになります。予想レンジは101円50銭~102円20銭程度と、昨日と変わりません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は米住宅関連指標や消費者信頼感指数が上振れしたことで102円17銭まで買われたが、株価の大幅下落に反応し101円台後半まで押し戻されて引ける。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-06-25 09:15