ジャパンフーズは5月安値から反発して下値確認
■15年3月期増収増益見通しや割安感を評価して出直り
飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> の株価は1200円~1300円近辺のボックスレンジから下放れの形となった。全般地合い悪化に加えて、エルニーニョ現象に対する警戒感を強めた可能性もあるだろう。ただし5月21日安値1145円から反発し、6月23日には1219円まで戻して出直りの動きを強めている。下値を確認した形であり、今期(15年3月期)増収増益見通しや指標面の割安感を評価して出直り展開だろう。
伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> 、サントリー食品インターナショナルなどの大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。
新規ビジネス分野では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。
また中期経営計画に基づく積極投資で、12年7月に本社工場で世界最新鋭の炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン(Eライン)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルライン(Tライン)も設備更新で炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン化した。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(4月24日公表)は、売上高が前期比6.4%増の341億円、営業利益が同36.2%増の12億70百万円、経常利益が同37.6%増の13億円、純利益が同55.1%増の7億50百万円で、配当予想は前期と同額の年間27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。
受託製造数量は主力の炭酸飲料や茶系飲料が好調に推移する。エルニーニョ現象が発生した場合の影響は不明だが、消費増税の影響は全体として軽微の見込みとしている。増収効果に加えて、加工賃売上の増加、炭酸・非炭酸兼用の無菌充填ラインによる増産・生産性上昇などで、売上総利益率が上昇する見込みだ。純利益は特別損失の一巡も寄与する。前期は飲料メーカーの在庫調整、雪害の影響、ユーテリティ経費(燃料費・電力費・給水費)の増加なども影響して計画を下回ったが、今期は好業績が期待される。
14年4月には中期経営計画「JUMP2015」についてのレビューと見直しを発表した。成長に向けた基本戦略をコアビジネス(国内飲料受託製造事業)の収益拡大、新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品、その他)の着実な推進、成長戦略を支える経営基盤の強化としている。また定量計画(イメージ)は15年度連結ベースで売上高390億円、営業利益15億50百万円、経常利益15億円、純利益10億円、ROE11.4%を掲げている。国内外で飲料業界の成長が続いていることも背景として、中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、4月24日に今期増収増益見通しを好感して1348円まで上値を伸ばす場面があったが買いが続かず反落し、5月には1200円~1300円近辺のボックスレンジから下放れの形となった。全般地合い悪化に加えて、エルニーニョ現象に対する警戒感を強めた可能性もあるだろう。ただし5月21日安値1145円から反発し、6月23日には1219円まで戻して出直りの動きを強めている。
6月23日の終値1212円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS155円51銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS1485円56銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線回復の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料であり、下値を確認して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)の株価は1200円~1300円近辺のボックスレンジから下放れの形となった。
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2014-06-25 09:30