2013年度 主要上場建設会社47社の受注・業績動向調査=帝国データバンク
収益改善も、建設コスト上昇を懸念
~受注高は2割増、アベノミクスの恩恵大~
はじめに
公共事業を“復活”させたアベノミクスによって、建設業界は息を吹き返した。恩恵は広く地方にまで及び、現状では建設業者の倒産は20カ月連続の前年同月比減少となっている。半面、人件費の上昇、資材価格の高騰が収益を圧迫し、受注の拡大ほどには利益が伸びない収益構造となっていることが指摘されてきた。今後も、東京オリンピックの開催など大型プロジェクトが多数控えているなかで、既に弊害として起こり始めている人手不足などに伴う建設コストの上昇に拍車がかかることも懸念される。
帝国データバンクでは、2013年度決算にあたる決算短信等の開示資料およびTDBの保有する企業財務データベースCOSMOS1(72万社・480万期収録)をもとに、2008年度以降の売上高(非連結)・売上総利益・工事受注高が比較可能な主要上場建設会社47社の業績および受注動向について分析した。前回調査は2013年6月27日。
・なお、(株)竹中工務店<未上場>は売上規模を勘案し分析対象に加えている
調査結果
1.2013年度の主要上場建設会社47社の受注高合計は、前年度比19.1%増の12兆1168億円となり3年連続の増加、リーマン・ショックのあった2008年度以降で最高となった。47社中46社が前年度比増加を記録した
2.売上高合計(非連結)は、前年度比6.6%増の11兆1152億円。対象企業の8割にあたる38社が増収となった。売上総利益率は6.6%と前年度比1.0ポイント増、3年ぶりに改善した
3.工事受注高の内訳(官・民)が判明している32社では、官公庁工事の受注高合計が前年度比36.5%増の2兆6635億円を記録、2008年度以降では初の2兆円超えとなった。民間工事も9.9%増の6兆円となり、5年ぶりに6兆円台を回復した
4.海外工事の受注実績が判明している14社では、海外工事の受注高合計が6569億円となり前年度比67.2%の大幅増(情報提供:帝国データバンク)
公共事業を“復活”させたアベノミクスによって、建設業界は息を吹き返した。恩恵は広く地方にまで及び、現状では建設業者の倒産は20カ月連続の前年同月比減少となっている。半面、人件費の上昇、資材価格の高騰が収益を圧迫し、受注の拡大ほどには利益が伸びない収益構造となっていることが指摘されてきた。
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2014-06-25 10:15