中国経済に不確定要素・・・「安定の中に問題と危険」と中国中央銀の見解

中国人民銀行(中国中央銀)の劉士余副総裁は24日、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会に金融分野における監督とリスク対処の状況を報告した。劉副総裁は穏健な通貨政策やマクロ面における慎重な管理により、リスクに対する防御を行っていると説明した上で、「金融の一部分野ではリスクが突出している」などとして、企業の債務率が高すぎるなどの問題を指摘した。
劉副総裁は各種指標について、2013年末における広義のマネーサプライは前年同期比13.6%増、人民元貸付残高は14.1%増、消費者物価指数(CPI)は2.1%上昇、国内総生産(GDP)に対する経常黒字の率は2.1%に引き下げるなどで、予定していた目標を達成できたと報告した。
2014年になってからは経済の下降圧力の増大を受け、金融機関に対しての預金準備率の引き下げや、貸付総量の合理的な増加や構造の改善を行うことで、安定した資金ニーズに比較的よく対応する状況を作り、流動性過多のリスクも有効に防止し、金融危機のリスクを防止するために有利なマクロの金融環境を構築したと説明した。
ただし、中国経済は不確定要素の多い局面を迎えており、「安定の中にも問題があり、安定の中にも危険がある状況」、「一部分野ではリスクが突出している」と説明。問題点について、「企業の債務率が高すぎること」、「生産能力があまりにも過剰で、不良債権が増加していること」、「高利回りの金融商品でデフォルトリスクが上昇していること」、「金融における情報の安全管理で表面に出ていないリスクがあること」などの例を挙げた。(編集担当:如月隼人)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国人民銀行(中国中央銀)の劉士余副総裁は24日、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会に金融分野における監督とリスク対処の状況を報告した。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-06-25 18:00