【為替本日の注目点】米GDP下方修正を受けドル全面安、ユーロ買戻しが進行
NY市場
101円台後半で推移していたドル円は、米経済指標の悪化にドル売りが強まり、一時101円62銭までドル安が進む。ただGDPの悪化が金融政策の変更につながるとの見方はなく、引けにかけては101円83-88銭近辺まで反発。
ユーロドルでもドル安が進み、一時2週間振りに1.3651まで買われる。ECBの次の一手を見極めたいとしながらもユーロが買い戻される流れが続く。
株式市場は3日振りに反発。GDPがマイナス成長になったものの、モンサントが100億ドル相当の自社株買いを発表したことが好感され、ダウは49ドル高。
債券相場は続伸。GDPや耐久財受注が軟調だったことを受け債券買いが進んだ。10年債利回りは2.56%台まで低下。
金は続伸、原油は3日振りに反発。
5月耐久財受注 → -1.0%
1-3月期GDP(確定値)→ -2.9%
ドル/円 101.62~ 101.92
ユーロ/ドル 1.3611 ~ 1.3651
ユーロ/円 138.62 ~ 138.90
NYダウ +49.38 → 16,867.51ドル
GOLD +1.30 → 1,322.60ドル
WTI +0.47 → 106.50ドル
米10年国債 -0.016 → 2.561%
本日の注目イベント
英 カーニー・BOE総裁講演
米 新規失業保険申請件数
米 5月個人所得
米 5月個人支出
米 5月PCEコアデフレーター
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
ドル円は101円90銭近辺でほぼ「固定相場化」していましたが、NY市場に入ると経済指標が軒並み市場予想を下回ったことでドル売りが加速。ドル円は一時101円62銭までドル安が進行しました。1-3月期のGDP確報値は「-2.9%」と、改定値を大きく下回ってしまい、この冬の悪天候の影響から下方修正と見られていたものの、悪天候の影響だけではないとの見方も出てきました。
今回の確報値は、事前予想では「-1.8%程度」と予想されていましたが、実際にはそれを大きく下回る内容でした。事前に、改定値よりは下方修正されるとの見方がコンセンサスだったため、市場の動揺は限定的でしたが、今回の下方修正幅は、現行の3段階推計方式が始まった1976年以来最大だそうです。(ブルームバーグ)
このため、市場の見方は「それ程悪天候がひどかった」というものと、「悪天候だけでは説明できない」とする見方に分かれているようです。個人的には、米景気がリセッションに陥る可能性は極めて低いと思われ、前者の意見に組したいと考えます。株価の反発などがそれを物語っていると言えるでしょう。雇用、住宅など、主要な経済指標を見る限りFRBの金融政策の変更を促すものはありません。
ドル全面安の展開から、ユーロドルも1.3651まで買われ、ECBが次回の理事会ではさらなる緩和策を発表する可能性もあるなか、ユーロの買戻しが進行しています。チャートでは1.3670近辺まで戻る可能性がありますが、ここに「日足」の「200日線」があることから、重要な値位置になりそうです。もっとも、このレベルまでユーロドルが戻れば、「遅行線」がローソク足を上抜けする「好転」が実現するため、もう一段の上昇も無いとはいえません。ただ、ECBの緩和策の実施を考慮すれば、やはりユーロの「売り場」を探すスタンスは維持したいところです。
さてドル円も約2週間振りに101円60銭近辺まで落ちてきました。再び意識されるのは「200日線」です。昨日のNYでの下落も101円62銭で止められ、やはりこの移動平均線で下落を止められた格好になっています。現在「200日線」は101円66銭近辺にあるため、今日の東京時間もこの線を巡る攻防になりそうです。仮にこの水準を割り込むと、次のサポートは101円40-45銭近辺で、その下は101円20銭前後と見られます。
足許の動きはややドルの下方を試す展開になっていますが、それでもドル円のボラティリティーはさらに低下しています。今年のドルの最安値である100円75銭レベルを割り込まない限り、下落スピードも緩やかなものとなりそうです。予想レンジは101円50銭~102円10銭程度と、こちらも昨日とそれほど変わりません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
101円台後半で推移していたドル円は、米経済指標の悪化にドル売りが強まり、一時101円62銭までドル安が進む。ただGDPの悪化が金融政策の変更につながるとの見方はなく、引けにかけては101円83-88銭近辺まで反発。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-06-26 09:15