サクセスHDは下値固め完了感、反発のタイミング

  保育園運営のサクセスホールディングス <6065> の株価は、安値圏1650円~1750円近辺でモミ合う展開が続いている。ただし、5月30日に1626円まで調整して13年6月の上場来安値1623円に接近する場面があったが、一段と下押す動きは見られない。下値固めが完了した可能性があるだろう。国の重点政策を背景として中期的な収益拡大基調に変化はなく、反発のタイミングだろう。   保育園運営のサクセスアカデミーの持株会社で、病院・大学・企業などの事業所内保育施設を受託運営する受託保育事業と、認可保育園・認証保育所・公設民営保育園・学童クラブ・児童館・全児童対策事業施設など公的保育施設を運営する公的保育事業を展開している。   13年12月末時点の運営施設数は、受託保育事業171施設(12年12月末比20施設増加)、公的保育事業63施設(うち認可保育園35施設、認証保育所5施設、学童クラブ等23施設)(同9施設増加)の合計234施設(同29施設増加)である。地域別には関東181施設、中部34施設、関西17施設、東北2施設で、神奈川県と東京都を地盤としている。   成長に向けた重点戦略として、受託保育事業は広域エリアでの拡充、公的保育事業は首都圏中心の新規開園と小規模施設の運営を進め、施設運営の効率向上、人材確保・育成面でのジェイコムホールディングス <2462> グループとの連携強化、認可保育園開設用不動産の確保などを掲げている。24時間保育や英語教育の実施など高付加価値の保育サービスの提供、多様な保育需要に応じたサービスの提供も強化する方針だ。   今期(14年12月期)の連結業績見通しについては、前回予想(2月7日公表)を据え置いて売上高が前期比13.3%増の98億26百万円、営業利益が同16.5%減の4億67百万円、経常利益が同7.1%増の7億55百万円、純利益が同7.3%増の4億30百万円、そして配当予想は同5円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。   第1四半期(1月~3月)は4月から運営開始の新規施設(受託保育事業8施設、公的保育事業6施設、合計14施設の開設準備が完了して4月から運営開始)の開園準備費用などで大幅営業減益だった。また通期営業利益は新規開園費の増加や保育士募集採用費の増加などで減益見込みとしている。ただし新規施設開設や利用者数増加で通期売上高は2桁増収見込みであり、経常利益と純利益は営業外収益で公的保育事業に係る設備補助金収入が増加するため増益見込みだ。上振れ余地もあるだろう。   全国の待機児童数は緩やかに減少傾向だが、依然として都市部を中心に保育サービスの需要は高水準である。13年4月に「待機児童ゼロ」を達成した横浜市には保育を求める子育て世代の流入が加速しており、潜在需要の顕在化も鮮明になっている。政府の取り組みも17年度の待機児童解消を目指して、規制緩和や運営補助金拡大などに向けた動きが活発化している。新規施設開園費用や保育士募集採用費用の発生時期、公的保育事業に係る設備補助金収入の増減などで、営業利益と経常利益がややデコボコする可能性はあるが、国の重点政策を追い風として中期的な収益拡大基調に変化はないだろう。   株価の動き(4月24日付で東証1部市場に指定替え)を見ると、東証1部市場への指定替え発表を好感して4月18日に1875円まで急伸する場面があったが、買いが続かず概ね安値圏1650円~1750円近辺でモミ合う展開が続いている。ただし、5月30日に1626円まで調整して13年6月の上場来安値1623円に接近する場面があったが、一段と下押す動きは見られない。1600円台で下値固めが完了した可能性があるだろう。   6月25日の終値1693円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円05銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間配当30円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS327円76銭で算出)は5.2倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
保育園運営のサクセスホールディングス<6065>(東1)の株価は、安値圏1650円~1750円近辺でモミ合う展開が続いている。
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2014-06-26 09:30