「中国依存」から脱却か・・・ベトナムの紡績業界が模索する原料調達=中国メディア

中国とベトナムの関係が悪化していることを受け、ベトナムの紡績業界が中国依存からの脱却に向けて動き出した。中国メディアの環球網は24日、ベトナム紡績協会が中国からの原料輸入を減らし、ベトナム国内での原料調達や中国以外からの調達を計画していると伝えた。
記事は台湾メディアの中央社の報道として、ベトナム紡績協会が会員企業に対して、2013年から14年にかけて中国から購入した紡績の原料に関するデータを提出するよう呼びかけたと紹介。
さらに中国からの原料輸入を減らし、ベトナム国内で原料を調達できるよう、ベトナム紡績協会はデータに基づいて投資計画を立てると伝えた。また、ベトナム紡績協会はタイや韓国、インドネシアといった中国以外の国からの調達も検討しているという。
環球網はベトナムメディアに対して行った取材の結果として、「ベトナムの紡績業では原料の6割が中国からの輸入に頼っているが、中越関係の悪化を危惧したベトナム政府は中国に依存しない形で生産を行うよう奨励している」と伝えた。
報道によれば、ベトナムには現在、4000社を超える紡績・服飾企業が存在する。ベトナムの紡績業全体の売上高は年200億ドル、250万人以上の雇用をもたらしているほか、ベトナムのGDPの10%を占めている。
さらに記事は、カンボジア中国商会の胡金林副会長の言葉として、「中国はインドや韓国に比べて原材料の種類が豊富で価格も安く、引き渡しも迅速だ」と伝え、中国から多くの原料を輸入しているベトナムの紡績業界が中国依存から一気に脱却することはできないとの見方を示した。
続けて胡金林副会長は、日本や韓国、フランスの紡績メーカーがベトナムに投資し、工場を建設したのは、ベトナムのコスト優位を評価したからと指摘。「原材料の価格が上昇し、生産コストが上昇すればベトナムの紡績業のコスト優位がなくなってしまう」と述べ、ベトナムの紡績業界が中国依存から脱却することは難しいとの見解を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国とベトナムの関係が悪化していることを受け、ベトナムの紡績業界が中国依存からの脱却に向けて動き出した。中国メディアの環球網は24日、ベトナム紡績協会が中国からの原料輸入を減らし、ベトナム国内での原料調達や中国以外からの調達を計画していると伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-06-26 11:30