【為替本日の注目点】米株安・金利低下でドル円再び下落基調、200日線の攻防
NY市場
ドル円は個人消費支出が予想を下回ったことや、株安、金利低下を背景にドル売りが強まり、一時101円48銭まで下落。注目の「200日線」を一時的に割り込んだものの、その後ドルは反発し101円70-75銭で取引を終える。
1.36台前半で堅調に推移していたユーロドルも1.36を割り込むと売りが加速し1.3576まで下落。その後はユーロ円の反発とともに1.3615近辺まで買い戻される。
株式市場は反落。軟調な経済指標に加え、セントルイス連銀総裁が利上げが早まる可能性があると発言したことが材料視された。ダウは21ドル下落し、他の株価指数も反落。
債券相場は3日続伸。5月の個人消費が予想を下回る伸びとなったことや、失業保険申請件数も予想したほど減少していなかったことで買い物を集める。長期金利も2.53%台まで低下しドル下落を誘った。
金は7営業日振りに反落し、原油価格も下落。
新規失業保険申請件数 → 31.2万件
5月個人所得 → +0.4%
5月個人支出 → +0.2%
5月PCEコアデフレーター → +1.5%
ドル/円 101.48~ 101.80
ユーロ/ドル 1.3576 ~ 1.3618
ユーロ/円 137.92 ~ 138.53
NYダウ -21.38 → 16,846.13ドル
GOLD -5.60 → 1,317.00ドル
WTI -0.66 → 105.84ドル
米10年国債 -0.029 → 2.532%
本日の注目イベント
日 5月失業率
日 5月消費者物価指数
独 独6月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏6月景況感指数
欧 仏1-3月期GDP(確報値)
英 英1-3月期GDP(確報値)
米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
タカ派の一人であるブラード・セントルイス連銀総裁は昨日NYでの講演で、「低い実質金利の維持を正当化するのはますます厳しくなる」と述べ、米国の利上げは考えられているより早く始まる可能性があることを示唆しました。米国の利上げが早まること事態はドル買い材料でしたが、軟調な経済指標に株価の下落と、長期金利の低下が加わり、ドル円は一時101円48銭まで売られ、約1ヶ月振りの円高水準をつけています。
今週に入り、102円台も徐々に重くなってきたドル円でしたが注目は日足の「200日線」を維持できるかどうかでした。昨日のNY市場では101円48銭までドルが売られたことで、一時的にこの移動平均線を下回りましたが、その後101円75銭近辺まで戻して取引を終えたことで、「かろうじて維持」できた格好になっています。本欄執筆時(7時15分)時点でも、ちょうどこの「200日線」辺りで推移しています。
ドル円は今年に入って何度も「200日線」割れをテストして来ましたが、結局一度も明確に割り込んだことはありません。したがってこの移動平均線は「かなり強い支持線」と見られており、逆にこの線を明確に割り込んだらドル売りが加速するのでないかと見られています。その意味では、今日はこの「200日線」の攻防と言ってもいいかもしれません。
ドルは円に対してだけではなく、豪ドルなど他の主要通貨に対しても売られています。2.6%台で安定を見せていた米長期金利が再び下げ基調を強め、足許では2.53%台まで低下してきました。また、NYダウは1万7000ドルの大台を前に一進一退を続け、一時ほどの勢いはありません。
国内に目を向けても、発表された安倍政権の成長戦略の中身は「合格点」だとの評価もありますが、サプライズもなく、市場ではやや失望感が優勢のようです。そんななか、ドル円はジリジリと上値を切り下げていますが、依然としてボラティリティーが5.8%(3ヶ月)と、低水準に留まっているためドル円の急落にはつながっていません。そのため、さらにここからドルが売られてもそのスピードは緩やかなものと思われます。
ややドルの買い方に分が悪い状況が続いていますが、ここは次の重要指標の内容を見極めたいところです。来週には6月の雇用統計も発表されます。月も替わり、今年も後半に入るわけですから、この辺りでドル円も動きを取り戻してほしいと願っております。本日のレンジは101円20銭~101円90銭程度を予想したいと思います。
究極のエコカー「燃料電池車」が年内に発売されるとの記事を読みました。なにしろCo2を一切排出しない、環境に極めて優しい車です。ハイブリッド車に続いて、またまた日本のメーカが世界のエコカー競争をリードすることになりそうです。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は個人消費支出が予想を下回ったことや、株安、金利低下を背景にドル売りが強まり、一時101円48銭まで下落。注目の「200日線」を一時的に割り込んだものの、その後ドルは反発し101円70-75銭で取引を終える。
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2014-06-27 09:30