日本国債を手放す中国の意図は・・・「円安」だけが理由ではなさそうだ=中国メディア

 世界最大の日本国債保有国である中国が日本国債の保有額を大きく減らしたことについて、中国メディアのBWCHINESEは「日中関係の冷え込みが一因かもしれない」と論じた。  記事は中国が日本国債を大量に購入し始めたのは金融危機以降であると紹介。それまで主に米国債による運用を行っていた中国だが、人民元の対ドルレートが上昇し続けるなか、中国は投資の多元化を実施し、日本やEUに分散を行ったと伝えた。  日本国債の購入を開始した中国は2010年に米国を抜いて、最大の日本国債保有国となったが、記事は日経新聞の報道を引用し「2013年末における中国の日本国債保有額は前年比6兆2000億円減の14兆3000億円になった」と紹介した。  さらに近年、中国が保有高を増やし続けてきた日本国債をなぜ突然減らし始めたのかと疑問を呈し、その答えは「円安が理由とすぐに分かるだろう」と論じた。かつて1ドル=80円だった日本円が13年には一時105円まで円安が進んだことを挙げ、「円安が進むと、ドル建ての日本国債の価値が大きく減少してしまう」と論じた。   中国国家外匯管理局は12日、中国の外貨準備高が約4兆ドルに達すると発表、中央銀行の総資産のうち外貨準備が80%を占めているとし、「バランスシートの構造が不健全であり、為替の変動によって資産価値が低下するリスクが存在する」と論じた。  また、中国が外貨準備の価値を保全するために日本国債を売りに出したことは容易に理解できるとし、「13年に中国は市場で中期・長期国債を計2兆4000億円分を売却する一方で、同時期に2兆円分の短期国債を購入した」と伝えた。  つまり、中国が2013年に売り越した日本国債は金額ベースでは4000億円にとどまるはずだが、記事は「中国の日本国債保有額が前年比6兆2000億円減となったことは、中国が市場外で何らかの操作を行ったということ」と指摘。  さらに保有額を減らした意図について「円安への対応と考えられるが、意図は恐らくそれだけではない」とし、中国が日本国債保有額を大きく減らしたのは、冷え込んでいる日中関係が一因ではないかとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
世界最大の日本国債保有国である中国が日本国債の保有額を大きく減らたことについて、中国メディアのBWCHINESEは「日中関係の冷え込みも一因かもしれない」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-06-27 17:45