武田薬品は新薬開発中止で下げる、PER40倍には新薬期待分が含まれ調整継続も
武田薬品工業 <4502> は、一時、前週末比360円安の4680円まで下げた。『2型糖尿病治療薬TAK-875』の開発を中止すると発表(27日)したことが響いた。ただ、週末株価は4835円と辛うじて13週線をキープしている。
開発を中止するのは、「肝臓における安全性の懸念から自主的に開発を中止する」ということである。ポイントは、これまでの相場において、どのていど同製品が期待されていたかである。「昨年秋の3500円前後から今年4月の5520円まで約6割上昇している。この内訳としては、全般相場高による寄与が80%ていど、新薬への期待が20%ていどあったのではないかとみている」(中堅証券)という。
今期の業績への影響はないという。その今3月期は前期比7.9%増収、営業利益14.3%増益、1株利益120.3円の見通し。配当は年180円の予定。
投資指標では配当利回りは3.7%、PERは40.1倍である。利回りの魅力はあるが、マーケット平均のPER16.4倍に比べるとかなり高い。仮に、この高PERに今回の新薬開発期待分が含まれていたとすれば高PERに対する割高修正は尾を引く可能性はある。「少なくとも今回の新薬中止で上値を買う勢いは、当面、削がれるだろう」(同)。
信用買残はかなり減少しているため前週のような投げ売りは出ないものとみられる。ただ、今後、13週線をキープできるかどうか、さらに13週線のすぐ近くに位置する26週線も維持できるかどうかが注目される。もしも、全般相場の調整に引っ張られることになって平均線を切ればチャート上では4200~4300円水準まで下げる可能性はあるだろう。
仮に、そこまで下げるようなら配当利回りは4%を超え、利回り魅力はさらに増すことになる。3月期の配当取りを前提に突っ込み狙いがよいだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
武田薬品工業<4502>(東1・売買単位100株)は、一時、前週末比360円安の4680円まで下げた。『2型糖尿病治療薬TAK-875』の開発を中止すると発表(27日)したことが響いた。
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2013-12-29 07:00