【為替本日の注目点】ドル安ユーロ高進む、低ボラティリティー債券や株式にも波及
NY市場
ドル円は引き続き小動きのなか、上値の重い展開が続く。ドルが主要通貨に対して売られながらも、対円では101円台前半で下げ止まる。NY市場では101円26銭までドル安が進むが、ユーロドルなどに比べそのスピードは緩やか。
ユーロドルは1.36台半ばから上昇し、1.37目前まで買われ、約1ヶ月半振りの水準までユーロ高が進む。米景気減速との見方が優勢。
株式市場はまちまち。シカゴ景況指数が予想を下回ったことでダウは25ドル安。一方ナスダックは10ポイントの上昇。
債券相場は連日小動きで横ばい。週後半に重要指標の発表を控えていることから模様眺めの状況。長期金利は変わらず2.53%台で推移。
金は続伸で、原油は小幅ながら3日続落。
米 6月シカゴ購買部協会景気指数 → 62.6
米 5月中古住宅販売成約指数 → +6.1%
ドル/円 101.26~ 101.46
ユーロ/ドル 1.3646 ~ 1.3698
ユーロ/円 138.34 ~ 138.74
NYダウ -25.24 → 16,826.60ドル
GOLD +2.00 → 1,322.00ドル
WTI -0.37 → 105.37ドル
米10年国債 +0.002 → 2.532%
本日の注目イベント
豪 RBAキャッシュターゲット
日 6月日銀短観
中 中国 6月製造業PMI(速報値)
中 中国 6月HSBC製造業PMI(改定値)
独 独6月雇用統計
欧 ユーロ圏6月製造業景況感指数(改定値)
欧 ユーロ圏6月失業率
英 英6月製造業PMI
米 6月ISM製造業景況指数
ドル円は小動きで値幅が出ないなか、それでもゆっくりと下値を切り下げています。特に、東京時間での下落の方がより鮮明になっているようにも思えます。昨日も東京市場で、株価の下落に歩調をあわせるようにドルが売られ、一時101円24銭まで下落しました。しかしNY市場では東京で記録したドルの高値も安値も抜け切れずに、101円35銭近辺で折り返しています。
日足で「200日線」を下抜けしたことは昨日述べた通りですが、重要なサポートラインを切った割にはドルの下落スピードも異例なほど緩やかです。やはりボラティリティーが極端に低いことが、ドル売りを仕掛けてもそれ程値幅が取れないとの認識につながっていると思われ、そのためドルを売っても小幅な利益ですぐに買い戻す動きが、さらに値幅を少なくしているようです。
ドル円では特にその傾向が強く、ユーロドルは動かないなかでも昨日は60ポイント程の値動きを見せています。今回のドル安円高は、あくまでも「ドル安」がメインです。そのためクロス円では、「円安」が進んでおり、ユーロ円では138円台後半までユーロ高が進んでいます。足許ではドルが最弱通貨で、続いて円がそれに続く弱い通貨になっていることが見て取れます。
昨日はユーロの強さが目立った1日でした。ユーロドルは1.3698まで買われ、約1ヶ月半振りの高値をつけています。今週木曜日にはECBの政策金利発表があり、市場はドラギ総裁の「次の一手」を探る展開ですが、先週発表されたドイツの消費者物価指数が予想以上に上昇していたことで、ECBが追加緩和には踏み切れないといった見方も背景になっているようです。
またユーロには継続的に資金が入っていることも見逃せません。スペインやイタリア、あるいはギリシャといった国々の国債が買われ、利回りが低下しています。ユーロ圏のこれらの債券は相対的には金利水準が高く、高金利を求めて資金流入が続いていると見られます。先月中旬にはスペインの10年債利回りが、米国債の10年利回りを下回ったことは象徴的なことでした。ただテクニカル的には、ユーロドルの1.37から1.37台半ばには、多くの重要なレジスタンスポイントがあることから、ここからさらに1.38台に乗せるには大きな材料が必要だと思われ、ドル安傾向だとしてもロングには厳しい水準かと思います。
為替の低ボラティリティーが債券や株式市場にも波及してきたようにも見えます。株価は日米とも一進一退で、米国債も2.5%台でもみ合っています。本日も引き続き値幅の出ない取引が予想されます。予想レンジは100円80銭~101円60銭程度と見ますが、101円を割り込むかどうかが焦点です。東京タイムでは難しいと思われますが、NYがいつものような活気をとり戻したらあり得そうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は引き続き小動きのなか、上値の重い展開が続く。ドルが主要通貨に対して売られながらも、対円では101円台前半で下げ止まる。NY市場では101円26銭までドル安が進むが、ユーロドルなどに比べそのスピードは緩やか。
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2014-07-01 09:30