TACは5月安値で底打ち、収益改善を評価して出直り本格化

  「資格の学校」を運営するTAC <4319> の株価は、5月安値230円から切り返しの展開となり、6月6日には317円まで急伸する場面があった。その後は戻り一服の形だが、5月安値水準まで下押す動きは見られず270円~290円近辺で推移している。5月安値で底打ちを確認した形であり、収益改善基調を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。なお7月31日に第1四半期(4月~6月)業績の発表を予定している。   財務・会計分野(簿記検定・公認会計士など)、経営・税務分野(税理士・中小企業診断士など)、金融・不動産分野(宅建・不動産鑑定士・FPなど)、法律分野(司法試験・司法書士など)、公務員・労務分野(社会保険労務士・国家総合職など)といった幅広い分野で「資格の学校」を運営し、法人研修事業、出版事業、人材事業も展開している。   13年12月には増進会出版社と資本・業務提携した。増進会出版社は子会社のZ会を通じて通信教育事業などを展開している。当社の教室運営ノウハウや資格系コンテンツ開発力などと、増進会出版社の通信教育ノウハウや教養系コンテンツ開発力などを融合させて、新たなソリューションの提供を目指している。   6月30日には、神戸市などでレセプト点検・整理業務を中心に医療機関事務部門に特化した人材サービスを展開するクボ医療(兵庫県加古郡)、および医療事務に関する労働者派遣事業・レセプト作成請負業務を展開する医療事務スタッフ関西(兵庫県神戸市)の株式100%を取得して子会社化したと発表した。両社の持つノウハウを活用して、医療系の資格取得分野への進出、医療事務関連の人材サービス事業の全国展開を目指す方針だ。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)は、売上高が前期比1.1%減の203億円、営業利益が同1.5%増の10億50百万円、経常利益が同16.9%減の10億80百万円、純利益が同24.7%減の6億15百万円で、配当予想は前期と同額の年間1円(期末一括)としている。   前期3月に発生した消費増税前の駆け込み申込の反動などで減収となり、事業構造改革効果の一巡などで営業利益は微増益にとどまり、投資有価証券運用益の一巡などで経常利益と純利益は減益見通しとしている。ただし法人受講者数の増加傾向が続き、個人受講者数も下げ止まり傾向を強めている。会社見通しは保守的な印象が強い。さらにM&Aやアライアンスの効果なども考慮すれば上振れ余地があるだろう。   今期の重点的な取り組みとしては、新講座の開発(教員試験対策講座の本格開講、建築士講座のさらなる拡大)、増進会出版社との共同事業の推進、新規ビジネスとして連結子会社オンラインスクールによる新たな資格学習者層の開拓・囲い込み、持分法適用関連会社プロフェッションネットワークによる実務家向けビジネスの拡大、そしてコスト削減への継続的取り組みを推進する方針だ。収益は改善基調だろう。   株価の動きを見ると、5月21日の年初来安値230円から切り返しの展開となり、6月6日には317円まで急伸する場面があった。その後は戻り一服の形となったが、5月安値水準まで下押す動きは見られず270円~290円近辺で推移している。5月安値で底打ちを確認したようだ。   7月1日の終値285円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS33円24銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS224円46銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して強基調へ転換の動きを強めている。また日足チャートで見ると75日移動平均線が戻りを押さえる形になったが、上向きに転じた25日移動平均線が接近して再動意のタイミングのようだ。5月安値で底打ちを確認した形であり、収益改善基調を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
「資格の学校」を運営するTAC<4319>(東1)の株価は、5月安値230円から切り返しの展開となり、6月6日には317円まで急伸する場面があった。
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2014-07-02 09:15