キトーは高値更新の展開で長期上昇トレンド継続
搬送機器メーカーのキトー <6409> の株価は、短期モミ合いから上放れて高値更新の展開だ。6月4日に2580円、6月18日に2644円まで上値を伸ばした。目先的な過熱感で6月27日に2393円まで反落したが、7月1日には2574円まで切り返している。長期上昇トレンドを継続する形だ。指標面に割高感はなく今期(15年3月期)好業績見通しを評価して上値追いの展開だろう。
工場内で使用される電気・手動チェーンブロック、ロープホイスト、クレーンなどを主力とする搬送機器の大手メーカーである。中期経営計画では「真のグローバルNO.1のホイストメーカー」を目指し、日本、北米、中国、アジア、欧州の地域別戦略などでグローバル化を加速している。目標数値としては16年3月期売上高580億円、営業利益70億円を掲げ、M&Aも積極活用してグローバル売上1000億円企業を目指している。
地域戦略としては、日本・北米・中国での強固な代理店網構築、アジア新興国での直販体制強化を推進し、特にアジアへの積極投資を実行している。製品戦略としては、日本および北米ではワイヤーロープホイストやシアターホイストなどの品揃えを強化する。生産戦略としては海外生産能力を拡充し、為替リスク分散や調達コスト低減への取り組みを強化する。アジアは韓国・タイ・インドでのクレーン生産能力を強化する方針で、13年4月に韓国、13年7月にタイで新クレーン工場が本格稼働した。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月12日公表)は売上高が前期比9.9%増の460億円、営業利益が同17.3%増の47億円、経常利益が同12.4%増の46億円、純利益が同22.8%増の29億円で、配当予想は同10円増配の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。株主還元方針は配当性向20%以上を目途としている。
地域別売上高の計画は、日本が同4.9%増の122億円、米州が同8.9%増の142億円、中国が同4.6%増の90億円、アジアが同29.7%増の80億円、欧州が同3.9%減の16億円、その他が同31.8%増の10億円としている。
中国の需要回復にやや不透明感があるが、日本、米州、アジアの好調が牽引する。日本は震災復興・インフラ整備関連の建設・土木向け、米州は製造業向け、アジアは自動車関連業界向けを中心として全般好調に推移する。米州ではメキシコや中南米での需要拡大も期待される。新製品の品揃え拡充、アジアの新工場(タイ、韓国)本格稼働によるクレーン事業拡大、プロダクトミックス改善、生産性向上なども寄与して増収増益見込みだ。想定為替レートは1米ドル=95円と保守的であり、通期上振れ余地があるだろう。
株価の動きを見ると、1800円~2200円近辺での短期モミ合いから上放れの形となり、5月30日に2417円を付けて1月高値2368円を突破した。さらに6月4日に2580円、6月18日には2644円まで上値を伸ばして高値更新の展開だ。目先的な過熱感で6月27日に一旦は2393円まで反落したが、7月1日には2574円まで切り返して再動意の構えだ。
7月1日の終値2548円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS222円15銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1612円65銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって長期上昇トレンドを継続している。また日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。再動意のタイミングだ。指標面に割高感はなく、今期好業績見通しを評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
搬送機器メーカーのキトー<6409>(東1)の株価は、短期モミ合いから上放れて高値更新の展開だ。6月4日に2580円、6月18日に2644円まで上値を伸ばした。
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2014-07-02 09:15