第一実業は1月高値に接近、高配当利回りなど割安感を評価
機械専門商社の第一実業 <8059> の株価は、4月~5月の安値圏420円近辺で下値固めが完了して切り返しの展開となり、6月25日には490円まで上伸して1月高値493円に接近した。今期(15年3月期)の大幅増収増益見通しや、3%台の高配当利回りなど指標面の割安感も評価して上値追いの展開だろう。1月高値493円を突破すれば上げ足に弾みがついて13年3月高値538円が視野に入るだろう。
機械の専門商社で、プラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業、その他事業を展開し、グループ会社は国内9社、海外20社である。13年5月に発表した新経営計画「AIM2015」では、最終年度16年3月期の売上高1550億円、営業利益57億円、経常利益59億円、純利益37億円を目標値として掲げている。グローバルビジネスを積極展開する方針だ。
新規事業としては、植物工場システムの販売に関するプロジェクトを立ち上げて、埼玉県入間市にパイロットプラントを建設した。また14年3月には長野県飯田市でメガソーラー「第一実業飯田太陽光発電所」が竣工した。茨城県笠間市の太陽光発電所に続く2カ所目のメガソーラーだ。
米アクセスエナジー社のバイナリー発電装置に関しては、14年4月に日本国内での独占的製造権を取得し、14年5月には地熱・温泉業界向け小型バイナリー発電装置の独占販売代理店契約を締結した。地熱、温泉熱、焼却廃熱、一般工場廃熱など、未利用熱エネルギーを有効活用して発電するバイナリー発電システムの普及拡大を目指す戦略で、15年4月までに国内での製造を開始する予定だ。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月9日公表)は売上高が前期比14.7%増の1400億円、営業利益が同22.7%増の50億円、経常利益が同16.2%増の52億円、純利益が同30.1%増の32億円としている。配当予想は年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で前期との比較で2円減配だが、記念配当3円を落としているため普通配当ベースで見れば実質的に1円増配となる。
前期末の受注残高は626億54百万円(前々期末比8.5%増)と高水準で、今期の受注高見通しは同14.2%増の1450億円としている。セグメント別売上高の計画はプラント・エネルギー事業が同20.0%増の340億円、エレクトロニクス事業が同18.7%増の360億円、産業機械事業が同4.1%増の380億円、海外法人が同18.4%増の290億円、その他が同24.7%増の30億円としている。自動車関連は国内外で設備投資需要が活発であり、前期やや低調だったプラント関連や電子部品実装関連の需要も回復する見込みだ。高水準の設備投資需要を背景に好業績が期待される。
株価の動きを見ると、4月~5月の安値圏420円近辺で下値固めが完了して切り返しの展開となった。そして6月25日には490円まで上伸して1月高値493円に接近した。利益確定売りで6月27日に一旦468円まで反落する場面があったが、7月1日には489円まで切り返している。今期大幅増収増益見通しを評価する動きだろう。
7月1日の終値488円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円37銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は3.3%近辺、そして前期実績PBR(前期実績の連結BPS586円85銭で算出)は0.8倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して強基調に転換し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。3%台の高配当利回りなど指標面の割安感も強く上値追いの展開だろう。1月高値493円を突破すれば上げ足に弾みがついて13年3月高値538円が視野に入るだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
機械専門商社の第一実業<8059>(東1)の株価は、4月~5月の安値圏420円近辺で下値固めが完了して切り返しの展開となり、6月25日には490円まで上伸して1月高値493円に接近した。
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2014-07-02 09:15