【為替本日の注目点】日米株価急上昇でドル円反発も、200日線上抜けが最低条件
NY市場
ドル円は上値が重いものの底堅い動き。日米の株価が急上昇したことでややリスクオンに傾き、ドル円は101円56銭まで反発。ただ依然として「200日移動平均線」を下回った水準で推移。
ユーロドルは一時1.3701まで上昇したが、上値を追う動きにはつながらず反落。ユーロ円は約4週間ぶりに139円台前半まで上昇。
豪ドルが続伸。中国のPMIが先月を上回ったことを好感し、豪ドルが買われ円が売られた。豪ドル円は3月末以来となる96円台半ばまで上昇。
株価は大幅に反発。中国のPMIが好調だったことに加え、米製造業も強さを見せたことからダウは129ドル上昇し、最高値を更新。ナスダックも50ポイント上昇し、実に14年振りに最高値を更新。
債券相場は製造業景況指数に反応し売られた。株価が大幅に上昇したこともあり終始軟調な展開。長期金利は2.56%台まで上昇。
金は続伸し1326ドルまで買われ、原油は4日続落。
6月ISM製造業景況指数 → 55.3
ドル/円 101.45~ 101.56
ユーロ/ドル 1.3676 ~ 1.3701
ユーロ/円 138.84 ~ 139.12
NYダウ +129.47 → 16,956.07ドル
GOLD +4.60 → 1,326.60ドル
WTI -0.03 → 105.34ドル
米10年国債 +0.034 → 2.566%
本日の注目イベント
豪 豪5月貿易収支
日 6月マネタリーベース
欧 ユーロ圏5月生産者物価指数
米 6月ADP雇用者数
米 イエレン・FRB議長講演
ドル円は昨日101円30銭まで売られた後底堅い動きを見せています。日本株が急伸し、日経平均株価は一時220円ほど上昇。ドル円は101円53銭まで反発しました。NYでも株価指数が軒並み上昇し、ドル円は101円56銭まで上昇しましたが、それでも株価の上昇の割には、ドルの上値が重いという印象は否めません。
中国の製造業PMIが事前予想通りだったとはいえ「51.0」と、堅調な内容を示したことで、中国景気へ安心感が広がり株価は上昇。日経平均株価は結局164円高で取引を終えましたが、その流れはNYでも引き継がれ、NY株式市場は大幅高となり、特にハイテク株が多いナスダック指数は50ポイントも上昇し、14年振りに史上最高値を更新しました。
ISM製造業景況指数が「55.3」と、先月よりは0.1ポイント低下しましたが、依然として高水準との見方が多く、先立って発表されたマークイット製造業PMIは「57.3」と、こちらも好調でした。ただ、株価が大幅な上昇を見せた割にはドル円は伸び悩んでいます。ドル円と株価との相関関係がやや崩れてきているとの印象もありますが、これは「200日線」を下回っているという、テクニカル上の側面もあろうかと思います。
現在「200日線」は101円71銭付近に位置してます。今後ドル円が再び103円を目指すにはこのレジスタンスラインを上抜けすることが最低条件ですが、反対に上抜けできれば上昇への第一歩と見ることもできそうです。いずれにしても、株価の大幅上昇の割にはドルの上値が重く、米長期金利もそれほど上昇していません。世界最大の資産運用会社である米ブラックロックのストラテジストは、FRBが政策金利を引き上げる時期を2015年4-6月と予想しています。これは市場のコンセンサスよりもかなり早く、利上げが早まればドルが上昇する可能性が高くなります。
NYの株高を受けて本日の日経平均株価も続伸しそうです。仮に1万5500円を超えるような上昇をみせれば、ドル円も上値を試す展開が予想されますが、その際上記「200日線」が抜けるかどうかがポイントになりそうです。株価の大幅上昇にもかかわらず、ドル円がレジスタンスラインを抜けないようだと、逆に株価が為替に引っ張られ下落するケースも考えられます。
今年も後半に入り、ようやく株式市場に活況が戻ってきた感がありますが、まだ昨年のような「株高・ドル高」の展開には至っていません。ドル円のボラティリティーは依然として低位で推移し、現在も5.63%程度と極めて低水準です。本日のレンジは株価にもよりますが、101円20銭から102円程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は上値が重いものの底堅い動き。日米の株価が急上昇したことでややリスクオンに傾き、ドル円は101円56銭まで反発。ただ依然として「200日移動平均線」を下回った水準で推移。
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2014-07-02 09:45