北京セブンイレブンの野菜・果物販売 中国成功の秘密を探る

 北京のセブンイレブンで野菜や果物の販売を6月に開始するとニュースを見て、中国の経済が急速に発展しているというのを改めて実感した。それは、コンビニで野菜や果物を販売するというのは日本でつい最近、本格化しめたばかりのことであるからである。  また同時に、日本企業の中国進出の際に、「現地ニーズの発掘」という極めて当たり前のことを再認識させられた。冷静に考えれば、日本のコンビニの発展モデルと中国でのモデルを考えると、自然なことである。 ■ 日本の発展モデル 1.スーパーマーケットやデパートが非常に繁栄している中での新たな業態が誕生。1970年代。品揃えは、すぐに必要となる食品が中心。 2.酒類の販売、ホットのコーヒー、おでんの販売をすることにより、コンビニは名前どおりに便利で身近な存在になる。 3.コンビニの利用客増加により、野菜等の販売を開始し、次第にスーパーとの垣根がなくなりつつある。 4.品揃えは次第に若い人からシニア層にターゲットを移しつつある。 ■ 中国の発展モデル 1.スーパーもコンビニも誕生当初は「超市=超級市場(スーパーマーケットの逐語訳)」と呼ばれていた。消費者からすると、コンビニは小さなスーパーであった。(酒類、おでん、弁当んどは誕生当初からコンビニで販売されていた) 2.中国での自由市場(青空市場)では一般に、温度管理や衛生管理などで問題のある生鮮食料品の販売が多かった。 3.中国では消費者の要求の水準が向上。しかも共働き等でいつも買い物が出来る状況ではない。そのため、衛生管理がある程度信頼でき、買い物時間が制約されないコンビニでのニーズが高まる。なお、農工商系列の好徳という上海のコンビニは、10年ほど前から卵や米などを販売している。  上記の事例を見ていくと、中国で小売業を成功させるためには、下記の要素が求められる。 1. 日本における商品・サービスの歴史の「事実確認」を行い、各事象について時代背景を認識する。 2. 中国の現在のニーズを照らし合わせて、日本で蓄積した「ノウハウの引き出し」のうちで、中国では何が必要かを把握する。 3. 日中の混成チームで、提供する商品・サービスを吟味して決定する。例えばコンビニにおける生鮮食料品の取り扱いが「非常識」ではなく、「常識」に変わる瞬間をキャッチする。  セブンイレブンの場合は、北京でのドミナント戦略「配送コスト」がかなり優位性ある状態でのサービス展開となり、自社の強みを生かす状況になっている。中国の経済発展により、日本で誕生しているサービスをすぐに中国で展開できるという日は、もうすぐそこまで来ている。(執筆者:廣田(李) 廣達 提供:中国ビジネスヘッドライン)
北京のセブンイレブンで野菜・果物を6月より開始するとニュースを見て、中国の経済が急速に発展しているというのを改めて実感した。それは、コンビニで野菜・果物を販売するというのは日本でつい最近始めたばかりのことであるからである。
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2014-07-02 09:30